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"風立ちぬ"、東京SQ、シューベルト"五重奏曲"

2013.09.06 - シューベルト

ma



宮崎駿監督の「風立ちぬ」を観る。

これは、飛行機の設計家と結核を病んだ女との恋愛映画。
舞台が第二次世界大戦であることと、主人公がゼロ戦の設計に関わることから、観る前はキナ臭い雰囲気を感じていたが、特定のイデオロギーを打ち出した作品ではこれはない。あえて踏み込まなかったというよりは、さして気にしていなかったのではないかと私はみている。

それよりも、街や電車の風景に昭和初期の面影が濃く、ノスタルジーをそそる。なにしろ映像が美しい。
そして印象的なのは煙草。登場する男性のほとんどは、教室だろうが火事の中だろうが、あたりかまわずスパスパやっている。挙句の果てには、主人公は結核の女房の手を握りながら一服つけている。
すばらしい。昭和である。
貧乏だけれども、世知辛くない時代の趨勢を、はっきりとここに見ることができる。

喫煙シーンを非難するバカは、映画もテレビも見るな。





ma






東京カルテットによりシューベルトの「弦楽五重奏曲」を聴く。

シューベルトの死の年に作曲された遺作。死の22年後の、1850年になってようやく初演された。

言うまでもなくこれは、彼の後期の作品群のなかでも、最強の音楽のひとつ。

これを東京カルテットがどう演奏するか。期待を超える出来栄えであった。
アンサンブルは実に緻密。なにげなく弾いているように感じるが、全ての音に思い入れが入っている。一聴、軽やかであるが、フレーズのひとつひとつに細やかな気配りがあり、デリケートこの上ない。
2楽章は幽玄の境地。曲そのものも凄いが、この演奏の、淡い情感の塩梅は筆舌に尽くしがたい。

というわけで、このディスクは、最強の音楽のおそらく最強の演奏のひとつである。



東京カルテット:
マーティン・ビーヴァー(ヴァイオリン)
池田菊衛(ヴァイオリン)
磯村和英(ヴィオラ)
クライヴ・グリーンスミス(チェロ)
デイヴィッド・ワトキン(チェロ)




2010年9月、ロンドン、エア・スタジオでの録音。












ma


ペドロのジャンプ。















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Comment

風立ちぬ見ました。 - アソー

お久しぶりです。先月風立ちぬ観て来ました。今までの長編と違ってかなり宮崎駿の趣味性が前面に出ていましたが、それでも面白かった。一途に自分の夢を追いかける男と、それを見守る恋人。恋人が結核に侵されている辺りなど、筋としては少々陳腐な気もしましたが、登場人物達の一途さと画像の美しさに引き込まれ、最後は落涙してしまいました。最後に飛翔する九試単戦の美しい事!
今日の引退会見を見て、最後に撮りたい物を撮って満足したのだろうな、と思いました。残念な反面、幸せな人生だなと思います。
タバコ、旨そうに吸っていましたね。一緒に観に行った女性がタバコ吸う人で、終わった途端、「一服して来ていいですか?映画のなかで皆美味しそうにタバコ吸ってるんだもん」と言って喫煙所に走って行ったのには苦笑しました。
私は喫煙はしませんが、嫌煙する権利と同様に、愛煙する権利もまた認められるべきだと思いますので、最近の風潮はいささかやりすぎだと思います。
2013.09.07 Sat 01:21 [ Edit ]

これは良いですね。 - 管理人:芳野達司

アソーさん、ご無沙汰しております。

実弟が一時期ジブリの社員だったこともあるし、この作品でも背景を書いているのですが、宮崎作品を映画館で見るのは初めてです。

私は、主人公と菜緒子との結婚のシーンで涙しました。映画を観て、あんなに泣いたのは初めてです。
堀辰雄の小説は、特段好きではありませんが、この作品には感銘を受けました。

>一緒に観に行った女性がタバコ吸う人で、終わった途端、「一服して来ていいですか?映画のなかで皆美味しそうにタバコ吸ってるんだもん」と言って喫煙所に走って行ったのには苦笑しました。

いいですね。
一服したくなります。
彼女と、一服しながら、映画のことを語りたい(スミマセン)。
2013.09.07 19:57
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