
マーク・パドモアのテノール、ポール・ルイスのピアノでシューベルト「美しい水車小屋の娘」を聴きました(2009年9月、ロンドン、AIRスタジオ)。
この曲を学生の頃から飽きることなく聴いているので、わりと多くの演奏を聴いてきました。だから、印象に残っている歌は少なくありません。
CDでは、清澄なシュライアー(オルベルツ)、激情を隠そうとしないヨゼフ・プロチュカ、筋肉質なアライサ、ふくよかなプライ(エンゲル)、情緒深いヴンダーリヒ(シュトルツェ)、ひ弱な主人公になりきって素敵すぎるギュラなど。
パドモアの声は瑞々しくて、凛とした佇まい。「粉職人の花」や「休息」などテンポの遅い曲がよりしっくりくるかな。
豊かな残響と相まって、これは夢心地。
ピアノはキラキラした響きでもって、テノールにぴったり寄り添う。
これも長く記憶に残るであろうディスクです。
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