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ブレンデルのリスト 巡礼の年第2年「イタリア」

2006.09.10 - リスト
ブレンデル

ブレンデル/巡礼の年「イタリア」



しばらく涼しい日が続いていたと思ったけれど、日曜の今日は大変な猛暑。平日は会社で涼んでいるからあまり暑さが気にならないのだが、自宅でじっとしていると、迫りくる熱気に耐えられない。
「9月だから」という理由でクーラーは控えているが、さていつまで続けられるか。
さっき見た料理番組で、村上龍がカレーを作りながら、真昼間に焼酎を飲んでいた。
とてもうまそうだった。さて今日は何時から呑み始めるか。

先日、NHKテレビでラーザリ・ベルマンの来日公演で、リストを放映していた。けっこう前の映像である。目覚しいテクニックと大きくて柔らかそうな手が印象的だった。昔「リヒテルとギレリスを足したくらいのテクニックがある」と言われたことがあったが、この映像を観ると、決して技巧を前面に押し出した演奏ではないように感じる。達者な技巧はむしろ音楽を表現する手段として、ついでのようにうまい、というふうに見える。彼のディスコグラフィーには、所謂技巧的難曲が勢ぞろいしているわけだが、それはレコード会社の都合であって彼本人の希望では必ずしもなかったのではないかと、今になって勝手に推察するのである。

それにしてもこのリスト、久々に聴いたら良かったので、もう一度聴きたくなった。
確か彼は巡礼の年を全曲録音しているが、手元にないので、ブレンデルの演奏を聴く。
「イタリア」はおよそ3分から15分くらいの7曲からなる組曲だが、みんないい。特に「婚礼」、「サルヴァトール・ローザのカンツォネッタ」、「ペトラルカのソネット第123番」、「ダンテを読んで」は、もっともっと頻繁に演奏されてしかるべき音楽だと思う。
技術的に難しいからあまり演奏されないのか、しかしブレンデルの落ち着いたきめ細かなピアノからは、技巧云々を全然感じさせないのである。




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Comment

無題 - Niklaus Vogel

吉田さん、こんばんは。風邪は治りましたか?
ブレンデルのリストを聞きましたので、TBさせていただきました。(この日記を読んで以来、ずっと「巡礼の年」を取り上げたかったのですが、1ヶ月もかかってしまいました。)
この日記にて、ベルマンに関する吉田さんの分析は、まことにおっしゃるとおりと肯くばかりでした。(私はそのTV放映を見ていませんが…。)
またよろしくお願いいたします。
2006.10.10 Tue 19:55 URL [ Edit ]

Re:Niklaus Vogelさん、こんばんは。 - 管理人:芳野達司

おかげさまで、なんとか生きております。35歳を過ぎてから、風邪は直りにくいし、罹りやすいし、もうボロボロです。筋トレでも始めようかと…。
TBありがとうございます。「スイス」は聴いていないのです。技巧的な華やかな曲といわれると、これも聴きたくなります。ベルマンのものは全曲が現役盤として健在のようですね。彼のピアノでも聴いてみたいですね。
2006.10.10 22:18

無題 - Niklaus Vogel

お元気になられているようで幸いです。
> 35歳を過ぎてから
まったく同じことを同僚と話しました(爆)。
さて、私の日記に曖昧な点があり、いくぶん誤解を招いてしまいました。
「技巧的に華やかな曲・浪漫的な曲」と一括りにしてしまいましたが、「分かりやすい曲」としての便宜上の分類です(難しい「思索的・前衛的な曲」との対比)。
実際に「スイス」がどれほど弾くのに難しいかは分かりかねますが、「華やか」というよりは「浪漫的な曲」となるでしょう。
2006.10.10 Tue 23:17 URL [ Edit ]

Re:Niklaus Vogelさん、こんばんは。 - 管理人:芳野達司

35歳をだいぶ超えてしまったのですけどネ。いずれにせよ、年齢を感じる昨今です。
なるほど、この「巡礼」シリーズは、リストの多くのピアノ作品の中でも、特に興味深い曲集であります。タイトルもステキです。旅歩いているような。ゲーテの「ヴィルヘルム・マイスターの修行時代」を連想させます。関係はなさそうですが…。
2006.10.10 23:36
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