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ゼルキンのベートーヴェン「ピアノ協奏曲第4番」

2006.10.17 - ベートーヴェン
ゼルキン/小澤

ゼルキン(P) 小澤指揮ボストン交響楽団 1981.10.6


昨日、「のだめカンタービレ」を見た。クラシック音楽をテーマ、というか背景にしているということで興味はあって、原作の存在はだいぶ前から知っていたが、読んだことはなかった。主人公の子供時代の先生がズテニェク・マカールに似ていると思ったが、本人だったのにはズッコケた。
なにをやっているのだろう、このヒトは!?
主人公の玉木宏と上野樹里のお互いに住む家が、マンションの隣同士なのはまあいいとして、部屋にグランド・ピアノがあるのは不自然だ。よほどの金持ちでない限り、ひとり暮らしの部屋にグランド・ピアノはないのじゃないかな?
これがちょっと気に食わない。
今後の展開によって、ついていけるかどうかわからないけれど、ときおり飛び出すギャグは割りに好きだ。


さて、ゼルキンのベートーヴェン。
冒頭のカデンツァはゆっくりとしていて、なおかつ軽快なピアノ。ゼルキンの晩年の名人芸だ。この曲のこうしたやりかたは、あまりないのではないだろうか。じんわりとした味のあるピアノである。
すぐにオケが入ってきて、テンポは中庸になってくる。このテンポは、最後まで貫かれる。
ゼルキンのピアノは風格を感じさせるものだが、軽やかさも感じる。山奥の水のような清らかさだ。これが明鏡止水というやつであろうか。私にはとんとわからない世界であるが、とても楽々と弾いているようで、解釈に一切の迷いがないかのように聴こえる。1つ1つのフレーズに「これしかない!」という強い意志を感じる。しかも、響きがビックリするほど透明である。
小澤のサポートは、朴訥でいい。
ピアノにぴったりあわせることに余念はない。昔ながらの手作りの豆腐のようなボストンの響きが、渋すぎる。色っぽい艶ななく、ただただピアノに合わせることだけに命をかけているような演奏で、いぶし銀の仕事と言える。ミュンシュ時代にラヴェルの華やかな彩りをみせたオケとは思えないくらいだ。
が、音楽の流れは最後まで途切れることなく大変な臨場感があり、フィナーレでは思いがけない盛り上がりをみせ、ドキドキさせてくれる。
テラークの録音は実音に近い録り方。コンサート・ホールで鳴るような響きを聴かせてくれる。
デンオンのややクセのあるワンポイント録音とは違う、生き生きとした音を生み出すのに成功しているように思う。




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Comment

無題 - rudolf2006

吉田さま
いつもコメントありがとうございます。
ゼルキンのベートーヴェンですね。私も、吉田さんに触発されて、久しぶりで4番のコンチェルトを聴こうかと思いました。私は、山ほどゼルキン師のCDを集めていますが、この組み合わせのコンチェルトだけ買っていません、爆~。(ちょっとした理由があるんですが、爆)。オーマンディ・フィラデルフィアとの4番を探したのですが、出てこなくて、クーベリック・バイエルン放響との演奏のCDをかけました。確かゼルキン師の最後の来日は、小澤・ボストン響との協演で、ブラームスの1番のコンチェルトではなかったかと思います。
2006.10.17 Tue 23:25 URL [ Edit ]

Re:rudolf2006さん、こんばんは。 - 管理人:芳野達司

私は、ベートーヴェンの4番は逆にこの小澤のものしか聴いていません。
これは滋味があふれていて、本当によい演奏だと思います。今日は2回聴きました。
クーベリックのものも良さそうですね。ライヴでしょうか。好きな指揮者です。
「ブラームスの1番のコンチェルト」は、78年でしたか。小澤/ボストンのコンビでの初来日でもありました。FMで生中継をしていて、ワクワクして聴いた覚えがあります。
2006.10.17 23:31

無題 - Niklaus Vogel

吉田さん、こんばんは!
テラークに残した小澤&ボストン響の録音はすべては聞いていませんが、とても溌溂としたすばらしいものであると思います。
「運命」と「エグモント序曲」などはだいぶ愛聴した覚えがあります。このゼルキンとの第4も聞きたくなりました。
ところで、私も「のだめカンタービレ」の原作を読んだことはなく、TVドラマも見ませんでした…。常に流行に遅れています(笑)。
2006.10.17 Tue 23:57 URL [ Edit ]

Re:Niklaus Vogelさん、こんにちは。 - 管理人:芳野達司

テラークは録音が素晴らしいですね。実際のコンサート・ホールで聴いているようなナマナマしさがあります。
ゼルキンと小澤はベートーヴェンの全集を完成しましたが、全体に渋めの演奏で、ときどき聴きたくなります。
「のだめカンタービレ」、今後、私はこのノリについてゆけるかわかりませんが(笑)、時間があれば見ようかと思っています。
2006.10.18 12:07

無題 - しじみ

こんばんは。
ゼルキンのピアノは迷いがない、その通りだと思います。私も彼の弾くベートーヴェンのピアノ・ソナタのCDを愛聴していますが、とてもすんなりと身体に沁み込んでくるような、そんな音色ですね。
ところで、吉田様、Niklaus Vogel様、「のだめカンタービレ」はぜひ読んでくださいませ。ドラマより数倍内容も濃いし、ギャクも面白いです。特に知識豊富なお二方の感想を私はぜひ聴きたいと思っています。
ちなみに1冊410円。現在、16巻まで出ておりますので6,560円。2回くらい飲み会を我慢すれば大丈夫ですよ、吉田さん?
2006.10.18 Wed 01:15 URL [ Edit ]

Re:しじみさん、こんにちは。 - 管理人:芳野達司

ゼルキンのベートーヴェンは柔軟で素晴らしいと思います。コロンビアでの一連のソナタ録音は、私にとって、グルダと並んで最も安心して聴くことができるCDです。
「のだめカンタービレ」ですが、2,3年前に勧められて少し読んだのですが、少女漫画チックな絵についていけず断念しました。よく話を聴くと、わりとマニアックなテーマだということですねー。機会があれば(あるのか!?)、飲み代をうかせて挑戦してみます(笑)。
2006.10.18 12:25

無題 - 木曽

こんにちは。
「のだめカンタービレ」ウチは以前から一家ではまっています。
それなりの年月クラシックを聴いてきた私のようなオヤジでも、
すっかり引き込まれてしまう説得力のあるストーリーです。
面白いですよ! ぜひご一読を。
2006.10.19 Thu 17:44 URL [ Edit ]

Re:木曽さん、こんにちは。 - 管理人:芳野達司

なるほど、ドラマでしか観ていませんが、マカールを出演させるほどの入れ込みようなので、今後も毎週観る事になりそうです。
漫画は、以前にチラッと覗いたことはありますが、まだキチンと読むに至っていません…。
私もオヤジでありますが、最近はヒマもそこそこあるので、なんとか挑戦してみたいと思います。
2006.10.19 22:36
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