忍者ブログ

ローマ歌劇場来日公演、ヴェルディ、"トラヴィアータ"

2018.09.16 - 演奏会

ma




ローマ歌劇場による、ヴェルディの「トラヴィアータ」公演に足を運びました(2018年9月15日、東京文化会館大ホールにて)。

このオペラ・ハウスについては、主に1960年代に演奏されたCDによって知るのみです。今回の指揮者も初めて。何年か前に経営状態が悪化し、指揮者のムーティが辞め、解体したのかと思っていましたが存続していました。その程度の知識しか持ち合わせていません。

さて実際に聴いてみると、いい。コッポラの演出は実にオーソドックス、不安感がありません。衣装はヴァレンティノが担当したらしいですが、ヴィオレッタの衣装は最初が黒と緑、2幕1場は白、2場は赤、3幕はまた白と、色とりどりであり、シックな雰囲気を醸し出していて楽しませてくれました。
そのヴィオレッタの歌唱は完璧と云っていい出来だと思います。声には艶があり脂ものっている。ニュアンスづけも繊細、演技もしなやか。
ドットは日本ではあまりメジャーではありませんが、彼女は素晴らしいソプラノです。
アルフレードもよかった。激情をストレートに歌いあげるものの、理性をうまく保っていてバランスがよかった。
ジェルモンは声の通りがよく、若々しい魅力がありました。欲を言えば、もう少し奥行きがあれば感銘が深まったかもしれません。

ビニャミーニの指揮は、どこを叩いても揺るがない職人技というべきもの。テンポは揺らさないものの、ときおり強弱の変化を大胆につけて、ハッとさせられました。でもそれは悪い意味ではなく、音楽の流れに則ったものであり、自然に受け入れられました。
ヴィオレッタを始め、レベルの高い公演だったと思います。

なお余談ですが、オケのヴァイオリニストが幕間に、R・コルサコフ、バッハ、チャイコフスキー、パガニーニを弾いて、拍手を浴びていた。なかなか素敵な余興でした。


ヴィオレッタ・ヴァレリー:フランチェスカ・ドット
フローラ・ベルヴォワ:エリカ・ベレッティ
アルフレード・ジェルモン:アントニオ・ポーリ
ジョルジョ・ジェルモン:アンブロージョ・マエストリ、他

指揮:ヤデル・ビニャミーニ
演出:ソフィア・コッポラ









PR
   Comment(0)    ▲ENTRY-TOP

Comment

コメントタイトル:
投稿者名:
Mail:
URL:
投稿内容:
Password: ※1
Secret: 管理者にだけ表示を許可する※2
※1 パスワードを設定するとご自分が投稿した記事を編集することができます。
※2 チェックを入れると管理者のみが見ることのできるメッセージが送れます。
カレンダー
03 2024/04 05
S M T W T F S
1 2 3 4 5 6
7 8 9 10 11 12 13
14 15 16 17 19 20
21 22 23 24 25 26 27
28 29 30
ポチっとお願いします(´_`\)  ↓ ↓ ↓
最新コメント
カッチェン、フロマン、ブラームス"ピアノ協奏曲2番" from:Yoshimi
-11/16(Thu) -
フルニエ、フィルクスニー、ブラームス"1番" from:老究の散策クラシック限定篇
-03/18(Sat) -
ゼルキン、オーマンディ、ブラームス"1番" from:老究の散策クラシック限定篇
-02/20(Mon) -
ゼルキン、オーマンディ、ブラームス"1番" from:“スケルツォ倶楽部”発起人
-02/20(Mon) -
古典四重奏団、ベートーヴェン、15,13"大フーガ" from:老究の散策クラシック限定篇
-10/30(Sun) -
最新TB
カテゴリー