
新国立劇場によるヴェルディ「アイーダ」公演に足を運びました(2018年4月8日、初台、新国立劇場にて)。
カリニャーニさんの指揮は、昨年の同じ新国での「オテロ」以来。歌手たちとの呼吸の合わせ方の妙味と、はっきりとメリハリのついた音楽作りに唸りましたが、それは今回も同様。自然なテンポは、うららかな気持ちで身を委ねることができました。
東京フィルも好調。輝かしい金管にドスの効いた打楽器、そしてなんといっても弦楽器。シルクのように肌理細やかでありつつ、女の濡れた瞳のような潤いのある音色に魅せられました。このオーケストラの弦は、ほんとうに素晴らしい!
歌手はアイーダとラダメスがよかった。前者は艶やかな声をおしみなく披露して、かつドラマティック。後者はドミンゴを彷彿させるようなまっすぐな声。逞しくもナイーブなこの役柄に合っていたように思います。
アムネリスは、まずまず。
2幕の踊りは、少年少女から若手によるもので、これはもう圧巻だった。華やかな衣装を纏い、なんと新鮮でイキイキとしたダンスだったことか。若芽の爆発みたい。興奮させられたし、背筋が痺れた。もしかしたらこの日の最高の見ものだったかも。
舞台はゼッフィレッリによるものだから新味はないものの、豪華極まりない。こんな絢爛な発想が西洋にはあるのだと、改めて思い知りました。変な話、音楽に集中するのが惜しいくらいのものでした。いつもよりチケット代が高いのもやむを得ないか。
【指 揮】パオロ・カリニャーニ
【演出・美術・衣裳】フランコ・ゼッフィレッリ
【照 明】奥畑康夫
【振 付】石井清子
【アイーダ】イム・セギョン
【ラダメス】ナジミディン・マヴリャーノフ
【アムネリス】エカテリーナ・セメンチュク
【アモナズロ】上江隼人
【ランフィス】妻屋秀和
【エジプト国王】久保田真澄
【伝令】村上敏明
【巫女】小林由佳、ほか
【合 唱】新国立劇場合唱団
【管弦楽】東京フィルハーモニー交響楽団
【バレエ】東京シティバレエ団、ティアラこうとうジュニアバレエ団
パースのビッグムーン。