ジャジューラ指揮ウクライナ歌劇場管弦楽団・他の演奏によるコンサートに足を運びました(2018年12月29日、東京オペラシティにて)。
ベートーヴェン 交響曲7番
交響曲9番
このコンビによる演奏は、今年の初め頃に観劇した「トゥーランドット」以来。技量は高く音質は柔らかめ、そして熱気もじゅうぶんな演奏を聴かせてくれたと記憶しています。
このタフな演目をどう捌くか注目しました。
7番、9番共に中庸なテンポでもって、おおらかな演奏を聴かせてくれました。単純な技量はおそらく、東フィルあるいは読響あたりと並ぶと思われますが、とくに弦楽器の歌い回しに味があるため、音楽に膨らみがあったように感じられました。
7番、9番ともに主に硬いバチを使用したティンパニの闊達さは目立ったし、9番の2楽章中間部においてのファゴット、オーボエ、ホルンの名技には唸らされました。
歌手では、メゾとバリトンの厚い歌い回しが光った。ソプラノとテノールはやや線が細かったものの、透明感のある声が魅力でした。
ジャジューラの指揮は全体を通して動きが少なく、細かいところはオーケストラに任せているようでした。第九のラストは、ぐっとテンポを落とし、自然にピッコロを浮き立たせたもの。重すぎず軽過ぎず、適度な重量感がありました。
この人の指揮はバランスがいいと、改めて感じました。
オクサナ・クラマレヴァ(ソプラノ)
アンジェリーナ・シヴァチカ(メゾ・ソプラノ)
ドミトロ・クジミン(テノール)
セルゲイ・マゲラ(バス)
晋友会合唱団
清水敬一(合唱指揮)
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