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2011年に読んだ印象に残る本

2011.12.29 - 日記
 
ume



今年は、大震災で親戚が何人か亡くなったのを皮切りに、夏に長年患っていた義父が逝き、冬には母が急逝、おまけに自分も体調を崩すなど、まったくもってろくなことがなかった。

そんななか、これは自分のジンセイを見つめ直すいい機会と思いつつも、相変わらずの乱読・乱聴。これでは進歩がない。
これからは本を漫然と読みちらかすのではなく、じっくりと対峙するべきだろう。先人たちの教えを吸収したり批判したりしながら、人間的な成長というやつを実現しなければならない。大人のシブい魅力を、謙遜しつつもおおっぴらに発散する時期でもあろう。

それを実現した暁には、お店のお姉ちゃんにもっとモテているに違いない。




「野茂英雄」(ロバート・ホワイティング(松井みどり訳)) 

ノーヒット・ノーランの感動がよみがえる。


「トーニオ・クレーガー」(トーマス・マン (平野卿子訳)) 

挿絵も気がきいている。


「夜間飛行」(サン=テグジュペリ(二木麻里訳))

ビジネス本としても第一級。


 「私家版・ユダヤ文化論」(内田樹)

わからないことに対峙する迫力。


「俺は、中小企業のおやじ」(鈴木修)

たまにはオッサンの自慢話をきくのもいい。


「赤目四十八瀧心中未遂」(車谷長吉)

女の妖しさが魅力。


「小泉八雲集」

切れ味鋭い珠玉の短編集。


「インドなんて二度と行くか!ボケ!!」(さくら剛)

思わずインドに行きたくなる。


「放浪記」(林芙美子)

朝露のような文章のみずみずしさ。


「庭の眺め」(梅崎春生)

この短い小説に、人間の不思議さ厭らしさが凝縮されている。


「輝く日の宮」(丸谷才一)

中年男のいやらしさ満開。


「チャイルド44」(トム・ロブ・スミス(田口俊樹訳))

アクションシーンがなんとも痛そう。


「後日の話」(河野多恵子)

不思議な味のある小説。


「反哲学入門」(木田元)

しっかり腑に落ちる哲学入門書。


「初恋」(トゥルゲーネフ(沼野恭子訳))

はかないのが初恋。


「自動車絶望工場」(鎌田慧)

労働の厳しさに耐える筆者のど根性。


「1Q84」(村上春樹)

古典に対する愛情が溢れている。


「茶粥の記」(矢田津世子)

「めぞん一刻」はこの短編をモデルにしたのでは?
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Comment

『反哲学入門』 - yoshimi

こんにちは。
このなかでは、『反哲学入門』が、今の私には一番興味を惹かれます。
amazonでも評判が良いですし、原典を知っていると、著者のひねった表現の面白さがよくわかるような気がします。
大学では、社会学専攻で哲学ゼミもとってましたから、哲学書はいろいろ読みましたが、すっかり頭も錆び付いてます。
最近、社会学の論文をいくつかネットで読んでいると、ずっと昔の記憶が蘇ってきて、面白く思えたので、また哲学や社会学の本を読みたい気分になってます。

来年も本と音楽の記事を楽しみにしています。
良いお年をお迎えくださいませ。
2011.12.30 Fri 12:40 [ Edit ]

Re:これはオススメです。 - 管理人:芳野達司

yoshimiさん、こんにちは。
「反哲学入門」は、いままで読んだ哲学入門系の本のなかで、わかりやすく、すぐれていると思います。ギリシャから現代までの流れが、おおつかみに理解できる気がします。
大学では哲学科だったのですが、今年は原典を読まずじまいでした(どちらにせよ日本語でしか読めませんが)。
来年はちょっと気合いを入れて、時間をかけて難しい本を読んでみようかと思っています。

yoshimiさんも、よいお年をお迎えください。よいことがありますように!
2011.12.30 19:24
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