ポール・メイエ(Cl) ジンマン指揮イギリス室内管/モーツァルト「クラリネット協奏曲」今日はHMVがポイント3倍セールということで、途中で新大久保の台湾料理屋でビールと小籠包をつまんで勢いをつけ、いそいそと行ってきた。大雨だったせいか、意外と混雑はしておらず、ゆっくりと店内を散策できた。収穫は、クリーンのシューベルトのピアノ・ソナタ、若杉の武満、そしてウイーン室内合奏団によるベートーヴェンの七重奏曲。
個人的には相変わらず格安輸入盤に食指が動くのだが、最近は日本の廉価盤が増えてきて嬉しい。
ことに、DENONのクレスト・シリーズは、順調に版数を重ねてきて質・量ともに充実しており、最近はよくお世話になっている。バランスがやや偏っているところがいい。ジャンルでいえば室内楽が強いか。未だにスメタナSQの人気は衰えていないのだろう。また特筆すべきは、器楽曲の主力がアファナシェフというところ。スークやオイストラフという巨匠も何枚かあるが、1番多く出ているのがアファナシェフである。スゴイ。暴挙ではないだろうか。このシリーズに敬意を表したい。
メイエのモーツァルトは、昨年末に購入したクレスト・シリーズのひとつ。クラリネット協奏曲はモーツァルトが最後に書いた協奏曲で、完成したのは死の20日前である。はっきり言って、このくらいの曲になると、あまり演奏者は選ばなくてもいいかもしれない。ちょっと乱暴だが、この曲を録音しようとする意思が、ある程度のレベルを約束したようなものじゃないだろうか。
メイエのクラリネットは明るく、粒立ちがいい。音楽の輪郭をくっきりと浮き立たせ、軽やかに奏でている。ちょっと先走るところがあるのはご愛嬌。私は、いつもこの明るくて悲しい第3楽章を聴くと、喉が詰まってしまう。
カプリングは他にブゾーニとコープランド。
ブゾーニの「クラリネット小協奏曲」は、3回聴いても今だ自分のものにできていない。10分程度の曲で、後期ロマン派の重厚さ、ねちっこさが横溢する音楽であるが、密度が濃くて、ついてゆけていない。まだ修行が足りない。
コープランドの協奏曲は、もともと「クラリネット、ハープとピアノをともなう弦楽合奏のための協奏曲」という長い題がつけられていて、ベニー・グッドマンの委嘱により作られ、1950年に初演された曲。
「ジャズ的な」と解説書にあったが、それほど感じない。むしろ、ある種のイギリス音楽のような、息の長くて荘重な旋律が印象的だ。★音楽blogランキング!★にほんブログ村 クラシックブログ無料メルマガ『究極の娯楽 -古典音楽の毒と薬-』 読者登録フォーム
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