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アルゲリッチのベートーヴェン「ピアノ協奏曲第1番」

2007.01.07 - ベートーヴェン
アルゲリッチ

アルゲリッチ(Pf) 小澤指揮バイエルン放送饗/ベートーヴェン「ピアノ協奏曲第1番」


今日は風が強い1日であった。ぷらぷらと外を歩いていると、髪はしっちゃかめっちゃかになるわ、聴いているCDは風の音で聴こえないわ、寒いわ、鼻水はでるわで、あまり快適な散歩ではなかった。
道々目に付く住宅に止めてある自転車はほとんどみな倒れていて、気の毒だなと思いつつ帰宅すると、ウチの自転車も倒れて車に激突。車はカスリ傷をおっていたのであった。


今日は1月のマンスリー企画「時々ベートーヴェン」に遅まきながら参加すべく、ピアノ協奏曲を聴いた。
しじみさんに続いてNiklaus Vogelさんも「1番」を取り上げてらしたので、ついでに私も、と。

この第1協奏曲は、出版の順序が今でいう2番と逆転してしまったので、実質的にはこれが2番目のピアノ協奏曲ということになっている。2番は1795年に初演された後に1798年に改変したりした挙句に、出版が遅れたのだという。この1番は1798年に作曲されており、最初の交響曲の少し前ということになる。ハイドンの影響がだんだんと薄れてきて、独自の色を出し始めた時期の若々しくて血気盛んな音楽だ。もっとも、ベートーヴェンは晩年でも血気盛んだったような気もするが。

このLDはアルゲリッチの1983年のライヴである。シノーポリとのスタジオ盤の2年前である。
この頃から彼女はソロで演奏しなくなったのではなかったか。
ここでのアルゲリッチは、「自由奔放な~馬」などといった形容詞で評される彼女の演奏とは若干異なっていて、割とおとなしい。やる気がないということではなく、風格の漂う成熟した大人の音楽という感じがうっすらとする。パッセージを弾くときも節度があってテンポも安定している。
などと途中まで思っていたら、終楽章はキタ。すごい指の速さとアクセントである。聴いていて血がたぎるようなスピード感に溢れている。こういう速い楽章になると、アルゲリッチは「自由奔放」ななんとか馬に変身する。
そういうこともあって、全体を聴きとおした印象で言うと、それがベートーヴェンという作曲家を強烈に出している演奏ではなく、どちらかといえばアルゲリッチのオーラが強いのであった。
小澤のサポートは渋い。渋すぎて、いるのかいないのかわからないほどだ。まあ、それだけ音楽に溶け込んでいるともいえるのかもしれない。




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Comment

無題 - Niklaus Vogel

吉田さん、こんばんは。ブログのアドレスにベートーヴェンの名を冠する代表者のご参加をお待ちしておりました!
それにしても、今日の強風は凄まじかったですね。夕方の車での外出は、ちょっぴり怖い瞬間が幾度かありました。
さて、私はあまりアルゲリッチの演奏に詳しくありません。子供のころにアルゲリッチの弾くショパンを聞いて、あまりにヒステリックを目の当たりにするような印象が強すぎたのでしょう。「あつものに懲りてなますを吹く」…。
実演に接する機会がことごとくなかったことも問題の一因となっているようです。
それにしても、小澤征爾&バイエルン放響という組み合わせは珍しいですね。興味津々です。
次回のエントリーも楽しみにしています!
2007.01.07 Sun 22:58 URL [ Edit ]

Re:Niklaus Vogelさん、こんばんは。 - 管理人:芳野達司

いやー、アドレスがベートーヴェンといっても、たまたま試してみたら空いていたというだけで…。もちろん嫌いではないですが、詳しいわけではないのです。
アルゲリッチのソロを聴きたいところですが、もうかなわぬかもしれません。ピアニストの心情を理解する術はありませんが、演奏できない何かがあるのでしょう。なので最近はあまり積極的には聴いておりません。
あと何回できるかわかりませんが、またこの企画に参加したいと思いますので、よろしくお願いします。
2007.01.07 23:18

無題 - しじみ

キタ━━━(゚∀゚)━━━!!!
とばかりに喜んでおります。
ご参加お待ちしておりました。期待通りの(というかやや強迫に近い?)ピアノ・コンチェルト1番でのエントリー、ありがとうございました。
アルゲリッチはソロ活動を全然していませんね。それは私も気になっていました。淋しがりやなのか、不安なのか・・・。でも彼女の強烈なエネルギーは誰かと共演することで発揮されるような気もします。今年もイタリアのオケと来日するようです。
2007.01.08 Mon 14:01 URL [ Edit ]

Re:しじみさん、こんにちは。 - 管理人:芳野達司

TBありがとうございます。
しじみさんの脅しに屈してピアノ協奏曲で始めました(嘘です!)。
今更言うまでもないですがベートーヴェンはいいですね。初期のものから後期までそれぞれ味わいが違っていて興味がつきません。
アルゲリッチのソロはもう出ないかもしれませんね。残念です。とはいえ、協奏曲もかなり堪能できます。
今月のマンスリー企画、ふらふらと浮気すると思いますが、また投稿したいと思います。
2007.01.08 18:18
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