アルゲリッチ(Pf) 小澤指揮バイエルン放送饗/ベートーヴェン「ピアノ協奏曲第1番」今日は風が強い1日であった。ぷらぷらと外を歩いていると、髪はしっちゃかめっちゃかになるわ、聴いているCDは風の音で聴こえないわ、寒いわ、鼻水はでるわで、あまり快適な散歩ではなかった。
道々目に付く住宅に止めてある自転車はほとんどみな倒れていて、気の毒だなと思いつつ帰宅すると、ウチの自転車も倒れて車に激突。車はカスリ傷をおっていたのであった。
今日は1月のマンスリー企画「時々ベートーヴェン」に遅まきながら参加すべく、ピアノ協奏曲を聴いた。
しじみさんに続いてNiklaus Vogelさんも「1番」を取り上げてらしたので、ついでに私も、と。
この第1協奏曲は、出版の順序が今でいう2番と逆転してしまったので、実質的にはこれが2番目のピアノ協奏曲ということになっている。2番は1795年に初演された後に1798年に改変したりした挙句に、出版が遅れたのだという。この1番は1798年に作曲されており、最初の交響曲の少し前ということになる。ハイドンの影響がだんだんと薄れてきて、独自の色を出し始めた時期の若々しくて血気盛んな音楽だ。もっとも、ベートーヴェンは晩年でも血気盛んだったような気もするが。
このLDはアルゲリッチの1983年のライヴである。シノーポリとのスタジオ盤の2年前である。
この頃から彼女はソロで演奏しなくなったのではなかったか。
ここでのアルゲリッチは、「自由奔放な~馬」などといった形容詞で評される彼女の演奏とは若干異なっていて、割とおとなしい。やる気がないということではなく、風格の漂う成熟した大人の音楽という感じがうっすらとする。パッセージを弾くときも節度があってテンポも安定している。
などと途中まで思っていたら、終楽章はキタ。すごい指の速さとアクセントである。聴いていて血がたぎるようなスピード感に溢れている。こういう速い楽章になると、アルゲリッチは「自由奔放」ななんとか馬に変身する。
そういうこともあって、全体を聴きとおした印象で言うと、それがベートーヴェンという作曲家を強烈に出している演奏ではなく、どちらかといえばアルゲリッチのオーラが強いのであった。
小澤のサポートは渋い。渋すぎて、いるのかいないのかわからないほどだ。まあ、それだけ音楽に溶け込んでいるともいえるのかもしれない。★音楽blogランキング!★にほんブログ村 クラシックブログ無料メルマガ『究極の娯楽 -古典音楽の毒と薬-』 読者登録フォーム
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