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夜の銀座の資本論、カラヤン、英雄

2011.06.18 - ベートーヴェン
   
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ベート-ヴェン 交響曲第3番「英雄」 カラヤン指揮ベルリン・フィル


浅川夏樹の「夜の銀座の資本論」を読む。
店に行く前に必ず美容院に行かなければならないので面倒くさいから銀座はよした、なんて話を昔に聞いたことがあるが、この本を読むと実際その通りみたい。美容院に加えて服代も相当にかかるらしく、いくら収入がよくてもなかなか大変だということがわかる。ホステスは基本的に個人事業主であるから、終身雇用ではもちろんない。ノルマがきついから、なおさら楽じゃない。
面白かったのは、リスク分散の話。
たったひとりの客につくだけで、月に500万円の売上があるとする。とすれば、その人だけを世話するばいいわけだから楽である。でも将来、その客が事業に失敗したり事故にあったりした場合、損失は100%になる。それに対し、自分の客が100人いれば、1人を失っても1%の損失に抑えることができる。だから、1人でも多くの客を増やすように、リスクマネジネントをするべきだ、云々。
こう語る元ホステスの著者は、資産運用のサイトを主宰しているとのこと。資本論を謳っているのはダテじゃないのダ!?


この週末はカラヤンのベートーベンを聴く。
まず、英雄の最後の録音で、これは1984年のセッション。
カラヤンが指揮するベートーベンの交響曲はどれもいいが、英雄の演奏が最も好みだ。
以前に観たビデオで、たしか70年代の後半に収録したライヴだったと記憶するが、ベルリンのフィルハーモニーでの映像はすごい迫力だった。草木をなぎ倒しながら増幅していく嵐みたいに、てのつけられないような力強さを感じたものだった。あれを聴いたおかげで、カラヤンのベートーヴェンのなかでも「英雄」は特にいいんじゃないかと思っていた。
今日聴いた演奏は、そのときのスタンスは基本的に同じ。やや速めのテンポでぐいぐい進んでいく。大きな聴きどころは2楽章。管楽器がうなりをあげて奏する音楽はなんともきらびやかな極彩色。葬送のテーマとしてはいささか派手な気がしないでもないが、これも一興。カロリーがたっぷりな西洋料理のフルコースの賑わい(吉田秀和か)。
録音は硬め。DGのデジタル初期特有の金属臭が立ちこめているから、きつく絞ったベルリンの音色が輝かしすぎる。実演では、こうは聴こえない。


1984年1月、ベルリン、フィルハーモニーでの録音
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Comment

お早うございます〜 - rudolf2006

吉田さま お早うございます〜

どういう訳か、お水のことは割りと良く知っていまして(爆〜)、今は大変そうですよ;; 設備投資しても帰ってこないそうですよ、お江戸の凄く高いお店はやっていけているところもあるそうですが、会社族を対象にしていたところはまったくダメみたいですね〜。
どこもそうですが、プロが少なくなったですね〜 私が遊びだした頃は(爆〜)、まだプロが少しはおられたようにも思いますが、今はアマとプロの差が殆どありませんね〜、これは殆どの分野で言えることかもしれませんが〜。

カラヤンのブラームスはチクルスで全曲ライヴで聴いたことがあるのですが、ベトベンは一曲も聴いていません。
そういやCDもベトベンは一枚もないかもしれません。
どうして聴いていないのだろうかと、不思議に〜

ミ(`w´彡)
2011.06.19 Sun 10:14 URL [ Edit ]

Re:rudolf2006さん、こんばんは。 - 管理人:芳野達司

お水、くわしいのですね(笑)
バブルの頃はともかく、今は会社の経費で行くことがままならないので、店としては厳しそうですね。銀座は行ったことがないのでわかりませんが…。
また、プロらしい人も見当たりません。キャバクラとかは、アルバイトばかりです。いいんだかわるいんだか。

カラヤンのブラームスは、昔、普門館でブラームスの1,3を聴きました。ロケーションの悪さを補ってすばらしいものでした。
ベートーヴェンは、「英雄」の演奏が好きですねえ。
2011.06.19 22:40

無題 - Yuniko

お久しぶりです。いつも楽しく拝見させていただいております。
カラヤンのベートーヴェン、いいですねえ^^
この演奏は、80年代の全集がバラで出ていた時の最後を飾った発売だったと記憶しています(8番&序曲集と一緒)。
父が60年代の全集から3・5・7番を、中学時代の友人が70年代の全集を持っており、聴かせてもらっていましたが、自分はこの80年代の力感あふれる演奏が気に入っています。
86年のサントリーホール・オープニングコンサートにカラヤン&ベルリンpoが出演することになっており、その第2夜が「未完成&英雄」のプロでした。
当時、自分は大学生で、来日公演のチケットが86年春に発売された時、乏しい生活費の中からチケット代を捻出し、A席をゲット(たしか22,000円)。
6月の終わりに発売されたこの盤を購入して、カラヤン指揮する「英雄」のライヴを夢想しました。
しかし来日直前にカラヤンは病気でキャンセル。カラヤンの「英雄」ライヴ体験は幻に終わりました。
この盤にはそんな思い出もあります。
2011.09.28 Wed 22:28 [ Edit ]

Re:Yunikoさん、こんにちは。 - 管理人:芳野達司

ご無沙汰しております。

カラヤンのベートーヴェンはどれも安定していいですね。なかでも3番はよく聴きました。
60年代の録音もいいし、70年代のライヴ映像はすばらしいものでした。

ワタシの中学時代の友人も70年代の全集を持っていました。うらやましかったことを鮮明に覚えています。LPのボックスがまた豪華で…。

サントリーの来日公演、残念です。代役は小澤でしたか。
カラヤンを生で聴いたのは唯一、84年の普門館でのブラームスでした。もう少し音響のよいところで聴きたかったものです。
2011.10.01 18:33
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