忍者ブログ

ミュンシュのベルリオーズ「イタリアのハロルド」

2006.08.20 - ベルリオーズ
ミュンシュ/イタリアのハロルド

ミュンシュ指揮ボストン饗/ベルリオーズ「イタリアのハロルド」


昨日ほどではないにしろ、今日も残暑が厳しい。
こういうときに、あえて暑苦しい音楽を聴くことで自らの弛んだ精神に活を入れる試み。
ついでに、久しぶりに昼からビール。

ベルリオーズは人柄も作品もたいへん暑苦しい男だが、ミュンシュだって負けてはいない。で、「幻想」よりも暑くなりそうな「ハロルド」を。
プリムローズのヴィオラはのっけから、厚ぼったい響きを満開に聴かせてくれる。ソロの部分は苦みばしった中低音が素晴らしく、暑さにやられた頭を余計しびれさせてくれる。
このヒトは、あまり合奏に合わせようという考えがないのか、ハープとのやり取りのシーンでは、一人でどんどんと先にいってしまい、ハープの高貴な音だけが取り残されている。ただ、このハープの音色がとてもステキで、この部分だけは涼しげな高原のそよ風である。
プリムローズのヴィオラは、ズーカーマンやバシュメットに比べるとだいぶ荒削りの弾きっぷりである。
雑といっても過言ではない箇所もある。ライヴではないかと勘ぐってしまうほど。
そういうやり方(?)が、速いテンポで押しまくるミュンシュに合っているようで、両者とも、あまり細部は気にせずにズンズンと音楽は進んでゆく。
聴いているほうも、なんだかよくわからないうちに、そのノリに巻き込まれる。
演奏は全体的に、後半になるにつれて良くなっていくようである。フィナーレは、意外におとなしい。優等生的といったら、ちょっと語弊があるかもしれないけれど。

案の定、余計暑くなった。

撤収。





★音楽blogランキング!

★にほんブログ村 クラシックブログ




無料メルマガ『究極の娯楽 -古典音楽の毒と薬-』 読者登録フォーム
メールアドレスを入力してボタンを押すと登録できます。




登録フォーム



解除フォーム



PR
   Comment(1)   TrackBack()    ▲ENTRY-TOP

Comment

無題 - yokochan

男ミュンシュの音楽は熱いですね。とりわけベルリオーズにおける煽りは。ビールも追いつきませんね。
オリジナルジャケットはいいですな。
ローマの松も聴きたくなる雰囲気です。
2006.08.21 Mon 23:20 URL [ Edit ]

Re:yokochanさん、こんばんは。 - 管理人:芳野達司

この季節に熱い男ミュンシュは効きました。クーラーを度外視した天衣無縫の暴れっぷりです。
ああ、ジャケットいいですね。こうなったらラテン系を聴きたくなるのが人情というもの。暑いけれどもいいものです。
2006.08.22 08:54
コメントタイトル:
投稿者名:
Mail:
URL:
投稿内容:
Password: ※1
Secret: 管理者にだけ表示を許可する※2
※1 パスワードを設定するとご自分が投稿した記事を編集することができます。
※2 チェックを入れると管理者のみが見ることのできるメッセージが送れます。

TrackBack

この記事へのトラックバック
TrackBackURL
  →
カレンダー
03 2024/04 05
S M T W T F S
1 2 3 4 5 6
7 8 9 10 11 12 13
14 15 16 17 19 20
21 22 23 24 25 26 27
28 29 30
ポチっとお願いします(´_`\)  ↓ ↓ ↓
最新コメント
カッチェン、フロマン、ブラームス"ピアノ協奏曲2番" from:Yoshimi
-11/16(Thu) -
フルニエ、フィルクスニー、ブラームス"1番" from:老究の散策クラシック限定篇
-03/18(Sat) -
ゼルキン、オーマンディ、ブラームス"1番" from:老究の散策クラシック限定篇
-02/20(Mon) -
ゼルキン、オーマンディ、ブラームス"1番" from:“スケルツォ倶楽部”発起人
-02/20(Mon) -
古典四重奏団、ベートーヴェン、15,13"大フーガ" from:老究の散策クラシック限定篇
-10/30(Sun) -
最新TB
カテゴリー