ベルティーニ指揮ケルン放送交響楽団の演奏で、ブルックナーの交響曲7番を聴きました(1988年5月、デュッセルドルフ・トーンハレでのライヴ録音)。
これは、精緻で透明感のある演奏。
ベルティーニといえばマーラーの演奏が有名。東京でもよくやっていて、「復活」は実演で聴きました。でも、ブルックナーを聴くのは初めて。録音が遺されていたことも知りませんでした。
1楽章は、色で言えばブルー。精悍で筋肉質。ため息のようにテンポを変化させるところは自然で、なんとも粋。
2楽章のワーグナー・チューバは、淡く滋味深い。第2主題でヴァイオリンと低弦が掛け合うところは、涼しげでスマート。山頂の打楽器はティンパニのみ。
3楽章は見通しの良さと豪胆さとが同居したような演奏。トーンは明るめ。
終楽章も、前の楽章に続いて音色は煌めいていて、各セクションは躍動感がありパワフル。その勢いで、怒涛の終結を迎えます。
録音はいくぶんメタリックだけれど優秀。
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