スイトナー指揮シュターツカペレ・ベルリンの演奏で、ブルックナーの交響曲7番(ノヴァーク版のようです)を聴きました(1989年1月、旧東ベルリン、キリスト教会)。
これは、優美かつ剛健なブルックナー。
曲目は違うものの、スイトナーはドレスデンよりもベルリンのシュターツカペレを振ったもののほうを気に入っているので、当ディスクも聴きごたえじゅうぶん。
1楽章は弦と金管とがまろやかに溶け合うところと、フルートとクラリネットの響きがおいしい。この音の洪水は、まさに快感。
2楽章でも、弦楽器にたっぷりとしたコクが感じられます。それに加えて、ワーグナー・チューバがまるで6月の雨雲のように重厚。痺れます。登りつめた山頂の景色は豪壮。シンバルとティンパニ、そしてトライアングルはかすかに聴こえるような?
3楽章もどっしり。でも、フレーズの歯切れがいいから重過ぎることはありません。
終楽章は、冒頭の弦による軽快なギザミがいかにも心地よく、最後まで浮き立つような気分で聴くことができます。
繰り返し聴きたくなる演奏。録音も優秀。
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