マリナーズの岩隈がオリオールズを相手にノーヒット・ノーランを達成。偉業である。
これを一面にしていたスポーツ紙は、知る限りサンスポとニッカン。ことにニッカンは2面・3面もぶち抜きで大きく扱っていた。
これまでにメジャー・リーグでノーヒット・ノーランを達成したことがある日本人は、言うまでもなく野茂である。ぶち抜きには、彼についての記述もあった。
今更であるが、両リーグでノーヒットを達成しているのは野茂を含めてライアンなど4人だけ。
彼がドジャースに在籍していたときに達成したロッキーズの本拠地、クアーズ・フィールドは標高1600mと高地にあり、打球の飛びやすいことで有名。それもあり、ここでノーヒットを達成した投手はいまだに野茂しかいない。
彼がレッドソックスに在籍していたとき、2度目に達成した相手はオリオールズで、スタメンにはあのカル・リプケンがいた。
野茂の話には弱い。読んで感涙。疲れてもいるが。
ハーンのヴァイオリン、ゲルネのバリトン、シェーファーのソプラノ他で、バッハの声楽曲を聴く。
このディスクは、バッハの声楽曲のなかからヴァイオリンのオブリガートがついたアリアを選んでいる。ハーンのアイデアだそうだ。
彼女はバッハのヴァイオリン協奏曲では華やかで、かつ仄かな色香が漂うヴァイオリンを聴かせてくれたが、ここではストイックなまでに抑えた弾き方をしている。オブリガートだから中低音が中心になっていることもあるのだろう。もともと派手なところが少ない曲に対し、ありのままに奏している。ヴィブラートの少ない肌理の細かな音色は美しい。
シェーファーのバッハを寡聞にして知らない。ここではソプラノにしてはやや低い声でもって、たっぷりとしたスケールの歌を聴かせる。濃厚で、ふくらみのある歌である。彼女が歌う「ロ短調ミサ」や「マタイ受難曲」を全曲で聴いてみたいもの。
ゲルネもなかなかスケールが大きい。恰幅のよさと、実直さを併せ持った歌いぶり。シリアスな佇まいから、暖かな詩情がにじみ出る
・マタイ受難曲から第51曲 アリア「私のイエスを返してくれ!」
・カンタータ第140番『目覚めよ、とわれらに声が呼びかける』から第3曲 二重唱「いつ来てくださるのですか、私の救いよ」
・カンタータ第204番『私は自分の中で満ち足りている』から第4曲 アリア「この広い大地の宝が」
・カンタータ第32番『慕わしいイエス、私の願いよ』から第3曲 アリア「ここ、父の住み家に」
・カンタータ第205番『破れ、砕け、こぼて墓穴を』から第9曲 アリア「心地よい西風よ」
・ミサ曲ロ短調 から「私たちはあなたを讃美します」
・カンタータ第157番『あなたを離しません、祝福してくださらなければ』から第4曲 アリア「そうだとも、私はイエスに固くすがる」
・カンタータ第59番『私を愛する人は、私の言葉を守るだろう』から第4曲 アリア「すべての王国をもつ世も」
・カンタータ第58番『ああ神よ、いかに多き胸の悩み』から第3曲 アリア「私は苦難の中でも満ち足りている」
・カンタータ第117番『讃美と栄光がいと高き宝にあるように』から第6曲 アリア「慰めと助けは、いつかは必ず欠ける」
・カンタータ第158番『平安がお前にあるように』から第2曲 アリアとコラール「世よさらば、私はお前に疲れた」
・マタイ受難曲から第39曲 アリア「憐れんでください」(メンデルスゾーン版)
北谷直樹(チェンバロ&オルガン)
ロザリオ・コンテ(テオルボ)
クリスティン・フォン・デル・ゴルツ(チェロ)
ヘンリク・ヴィーズ(フラウト・トラヴェルソ)
ミュンヘン室内管弦楽団
指揮:アレクサンダー・リープライヒ
2008年12月、2009年4月、ミュンヘンでの録音。
休憩。
重版できました。
「ぶらあぼ」4月号に掲載されました!PR