忍者ブログ

カラヤンのチャイコフスキー「交響曲第6番"悲愴"」

2010.09.19 - チャイコフスキー
  
tc

カラヤン指揮 ベルリン・フィルハーモニー管弦楽団


佐々木常夫の「そうか、君は課長になったのか」を読む。
帯には「課長時代に、病に倒れた妻と自閉症の長男を守りながら、部下をまとめ上げ、数々の事業を成功させた『上司力』の真髄!」なんてあるので、ちょっとハードルが高いのかと思ったが、その心配はなかった。
東レ経営研究所の社長である著者は、課長職ほどやりがいと喜びのあるポジションはないと言っている。書いていることは極めてオーソドックス。
仕事をするためにはまず計画と目標を策定し、最短の距離を目指しつつ結果を出さなければならない。周囲とのバランスを考慮しつつ、楽しく、年休もしっかり取る、と。あたりまえじゃないかと思うところもなくはないが、文章から誠実さがにじみ出ているので、ちょっとついていきたくなるような気分になる。
ちなみに、帯にあった「自閉症の長男」は本文には登場しない。


EMIの71年盤は、カラヤンの数ある「悲愴」のなかでもひときわ名盤の誉れ高い演奏。こってりと脂の乗り切った音色と厚さがあり、ボリュームたっぷりカロリー満点。
コントラバスとチェロの臆面もない荒々しさは迫力たっぷりだ。ことに、3楽章においての熱狂は尋常ではない。どこかのネジを落としたような狂気さえ感じる。ベルリンの実力が全開だ。あたかもこれは、カラヤンが絶好調のときのライヴのような、猪突猛進の演奏である。78年の「春の祭典」ばりの推進力といったらいいか。なんとも底知れないパワーなのである。こういう演奏がセッションで実現したことは、希有なことかもしれない。
でも好みで言うと、カラヤンの「悲愴」ではフィルハーモニア管弦楽団を指揮したものが好きなのだ。勢いあまってはち切れんばかりの生命力が適度な重力で迸り、勢いと切れ味がうまく調和をしているからである。

1971年9月16-21日、ベルリン、イエス・キリスト教会での録音。
PR
   Comment(0)   TrackBack()    ▲ENTRY-TOP

Comment

コメントタイトル:
投稿者名:
Mail:
URL:
投稿内容:
Password: ※1
Secret: 管理者にだけ表示を許可する※2
※1 パスワードを設定するとご自分が投稿した記事を編集することができます。
※2 チェックを入れると管理者のみが見ることのできるメッセージが送れます。

TrackBack

この記事へのトラックバック
TrackBackURL
  →
カレンダー
03 2024/04 05
S M T W T F S
1 2 3 4 5 6
7 8 9 10 11 12 13
14 15 16 17 19 20
21 22 23 24 25 26 27
28 29 30
ポチっとお願いします(´_`\)  ↓ ↓ ↓
最新コメント
カッチェン、フロマン、ブラームス"ピアノ協奏曲2番" from:Yoshimi
-11/16(Thu) -
フルニエ、フィルクスニー、ブラームス"1番" from:老究の散策クラシック限定篇
-03/18(Sat) -
ゼルキン、オーマンディ、ブラームス"1番" from:老究の散策クラシック限定篇
-02/20(Mon) -
ゼルキン、オーマンディ、ブラームス"1番" from:“スケルツォ倶楽部”発起人
-02/20(Mon) -
古典四重奏団、ベートーヴェン、15,13"大フーガ" from:老究の散策クラシック限定篇
-10/30(Sun) -
最新TB
カテゴリー