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"自負と偏見"、レーゼル、シューマン"ピアノ五重奏曲"

2014.09.28 - シューマン

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ジェイン・オースティン(小山太一訳)の「自負と偏見」を読む。

これは、イングランド・アッパー階級の5人姉妹家族の婚活生活を描いた作品。
この作品は1796年に書かれている。ドストエフスキーやディケンズよりも古い。なのに、新しい。まるで向田邦子か平岩弓枝の小説を読んでいるかのようだ。

アッパー階級とは、貴族の一歩手前の身分であり、基本的に仕事をしなくても生活できる人種のこと。この小説の主人公が住む家族は、とても裕福、とまではいかないものの、主人は日がな本を読んで生活できる。そのあたりはまった共感し得ないが、特に女性の登場人物が実に生き生きと描かれていて、興味をそそられた。

ことに、主人公のエリザベスは向こう気が強く、どんな金持ち相手にもひるまない気骨をもっていて、彼女が最後に幸せを迎える場面のときは、読んでいるこちらもホンワカした気分になった。

同じ時代の日本では、とうてい書き得なかった作品である。








レーゼルのピアノ、ゲヴァントハウス四重奏団の演奏で、シューマンのピアノ五重奏曲を聴く。

これは、とても端正で几帳面な演奏。レーゼルの気品高いピアノは存在感抜群だが、全体のリードはおそらくカール・ズスケがとっているのだろうと思わされる。
というのは、スッキリとしたテンポと切れ味の爽快さが、同じゲヴァントハウス四重奏団のメンデルスゾーン「八重奏曲」に似ているからだ。あの輝かしい演奏は、一度聴いたら忘れない。天空を舞うようなめくるめく音世界! メンデルスゾーンとシューマンとはまったくスタイルが異なるが、ここでもその切れ味は生きている。

下手をすればもったりとしそうなこの曲を、なんと生気溢れた解釈でもって対峙していることか。ここには、シューマンの「あいまいさ」や「気だるさ」といったキーワードをいったん保留にして、真っ白な状態で楽譜を読みぬいた努力が窺える。その結果、いま生まれたてのような、まるまるとして清潔なシューマンがここに浮かび上がった。
レーゼルのニュートラルなピアノがここで生きているし、ゲヴァントハウスの面々も、脂身のない筋肉質な弦を聴かせる。
こういう健康的なシューマンも悪くない。


ペーター・レーゼル(ピアノ)
ゲヴァントハウス弦楽四重奏団
 カール・ズスケ(ヴァイオリン)
 ギュルギョ・クレーナー(ヴァイオリン)
 ディートマル・ハルマン(ヴィオラ)
 ユルンヤーコブ・ティム(チェロ)


1983-84年、ドレスデン、ルカ教会での録音。




冷やし中華とツイッター始めました!




ma


出発。












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Comment

明るく爽やかなシューマン - yoshimi

こんばんは。
レーゼルのピアノを初めて聴いたのがこの曲でした。とても気に入ってしまったので、おかげで、レーゼルの録音コレクターになってしまいました。
それまでこの曲の定番といえば、パネンカ&スメタナSQだったようですが、弦の響きがスメタナSQよりも充実してますし、レーゼルの若々しく躍動感のあるピアノとぴったりかみ合っていますね。
ピアノ作品のシューマンのイメージとは随分違って、明るく溌剌として爽やかな曲なので、ピアノ独奏曲が苦手の私でも、全然抵抗なく聴けます。
シューマン作品のなかでは、ピアノ協奏曲とこの曲が一番好きかもしれません。
2014.09.29 Mon 00:26 URL [ Edit ]

これはいいです。 - 管理人:芳野達司

yoshimiさん、こんばんは。
レーゼルのピアノを初めて聴いたのがこの曲でしたか。意外です。ソロだと思ってました。それにしてもこの演奏はいいです。本文に書きましたが、シューマンの陰鬱さはここではあらわれない。明るくて無限の未来のある青年の歌に聴こえます。
この曲は、リヒテルとボロディン四重奏団のものを聴いてきました。演奏者から想像できるかと思いますが、あれは作曲者の悪魔的な要素をふんだんに散りばめた演奏です。それはそれで見識ですが。
ピアノと弦楽器がとてもスリムに組み合ったこの演奏、技巧的にも高いのだと想像します。さすがです。
2014.09.29 21:14
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