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自省録(18)、ブリテン、"「ファウスト」からの情景"

2015.09.12 - シューマン

ma
 


「君がまわり道しいしい到達することを希っていることは、これを自ら自分に拒みさえしなければ、どれでも今すぐに手に入れられるのだよ。それには全過去を打捨て、未来を摂理に委ね、ただ現在のみを敬虔と正義の方向へ向ければよいのだ」(第12巻-1)。








ブリテン指揮イギリス室内管弦楽団、他の演奏で、シューマンの「ゲーテの『ファウスト』からの情景」を聴く。

シューマンがあるジャンルを集中的に書いたことは有名だ。1838年頃はピアノ曲、1840年代に入ると声楽曲、1842年には多くの室内楽曲を残した、といった具合。そして彼は、次の作品はオペラでなければならないとし、題材の候補にはゲーテの「ファウスト」も含まれていた。この作品は1844年に着手されたが、途中で神経障害を起こし中断となる(結果的に、完成された唯一のオペラ「ゲノヴェーヴァ」が先行してできあがる)。
療養したあと再びこの曲に取り組み、1853年に序曲と6景を仕上げて全曲を完成させた。

作品の形式はオラトリオといえるが、舞台の演出があればオペラとしても通用しそう。

シューマンは管弦楽法がうまくないということをよくいわれるが、さして気にしたことがない。この曲も、交響曲と同様にもったりと厚いが、これはこれでシューマンのロマン性をよくあらわしているように思う。

ブリテンの指揮は手堅い。歌手たちと合唱をがっちりと支えている。オーケストラは独特のくぐもった響きでもって、ねっとりと濃厚な響きを醸し出す。それぞれの楽器はじつに生き生きと鳴っている。編成は大きくなかろうが、言われなければ室内オケとは気づかないかもしれない。
「こっちへ!こっちへ!入れ!入れ!」でのトランペットは名人の手によるもの。

歌手はF=ディースカウのファウストが中心。とくに「生命の脈は新たに生き生きと波打ち」での歌唱は若々しくも毅然としておりパワーに満ち溢れている。
S=カークのメフィストフェレスは洒脱。垢ぬけた悪魔。
ピアーズのアリエルはダンディ。いささか風格に欠けるが、瑞々しい。
ハーウッドのグレートヒェンは感情の起伏が豊か。録音当時30代だがどっしりしている。


ファウスト/マリア崇拝の博士:ディートリヒ・フィッシャー=ディースカウ(バリトン)
グレートヒェン/ざんげする人:エリザベス・ハーウッド(ソプラノ)
メフィストフェレス/悪霊/天使ににた神父:ジョン・シャーリー=カーク(バス)
アリエル/法悦の神父:ピーター・ピアーズ(テノール)
憂い/天使:ジェニファー・ヴィヴィアン(ソプラノ)
困窮/罪深き女:フェリシティ・パーマー(ソプラノ)
罪/エジプトのマリア:ポーリーン・スティーヴンス(ソプラノ)
瞑想の神父:ロバート・ロイド(バス)
栄光の聖母:アルフレーダ・ホジソン(メッゾ・ソプラノ)
ジェニー・ヒル(コントラルト)
マーガレット・ケーブル(メッゾ・ソプラノ)
ジョン・エルウェス(テノール)
ニール・ジェンキンス(テノール)
ジョン・ノーブル(バリトン)
オールドバラ音楽祭合唱団
ワンズワース・スクール合唱団


1972年9月、スネイプ、モールティングスでの録音。




ma
 
休憩。





重版できました。




「ぶらあぼ」4月号に掲載されました!







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