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ムラヴィンスキーのシベリウス交響曲第7番

2006.07.26 - シベリウス
ムラヴィンスキー

ムラヴィンスキー/レニングラード・フィルのシベリウス交響曲第7番


近所のスーパーでしじみを買った。
ロシア産とあるが、妙にでかい。

しじみ1

アサリ並みの大きさである。
さすがに国土が広いだけのことはある。

これを、酒蒸しにしてみた。

しじみ2

今までのしじみジンセイを振り返ってみても、こんな大ぶりのものは初めてだったから少し身構えたが、味もちゃんとしじみである。
こんな些細なことから、世界の広さをしみじみと実感してしまったなぁ。


さて。
ムラヴィンスキーとレニングラード・フィルのコンビでの合奏の精密さは、セルやショルティのものとは質が少し違う。
それは、殺気なのだと思う。
ムラヴィンスキーの音作りには殺気を感じる。
油断をしているとスパッと切られるような緊張感があるのだ。

愉悦と精気がみなぎるようなモーツァルトの39番も、彼が振れば、楽しさを感じるというよりも、頭をたれて正座をして(実際にはしないけどネ)聴かなければならないような厳粛な気配を醸し出す。
いい演奏には違いないけれども、あまり明るい音楽は彼に似合わないのではなかろうか。
コーホー氏は、彼のチャイコフスキーの演奏を『「悲愴」ではなく「非情」』と言っていたが、その感覚はわかる。

非情と言えば、ゴルゴ13。
ゴルゴ13は、決して相手に背中を向けない。
休暇中でも襲ってくる敵にはスキを見せず、容赦なく相手を撃つ。


ムラヴィンスキーは、休暇をどのように過ごしていたのだろう。


シベリウスの第7は、ただでさえ触るとひんやりする音楽。それがムラヴィンスキーの手にかかると、頬がきれそうな冷たい吹雪。ヴァイオリンの悲痛な叫びが悲しくも美しい。

ホントに正座して聴いてマス。



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Comment

無題 - しじみ

見過ごせない記事でしたのでコメントさせていただきます(笑)。またデカイしじみですねー。あさりのような大きさじゃないですか?味はどうだったのですか?やっぱり大味?(笑)
ムラヴィンスキー&レニングラード・フィルはチャイコフスキーの4、5、6番の交響曲をCDで聴いただけですが、コンサート含めてこれ以上の演奏を聴いたことはないように思います。今のサンクトペテルブルク・フィル&テミルカーノフで4番を聴いたときも素晴らしかったですが、あのオケならやっぱりムラヴィンスキーで生演奏を聴いてみたかったです。残念。
2006.07.26 Wed 21:58 URL [ Edit ]

Re:しじみさん、こんばんは。 - 管理人:芳野達司

この記事は、しじみさんのことを念頭に置いて書きました(笑)。
大味かと思いましたが、なかなかでした。今度入手できたら、味噌汁にしようと思います。
ムラヴィンスキーのチャイコフスキーは最高ですネ。私も生ムラヴィンスキーをききのがしたクチです。
ああ、残念!
2006.07.26 22:33

無題 - garjyu

こんにちは。
でかいシジミはさておき。
ムラヴィンスキーの“殺気”というのは、読んで納得でした。
この凄さは“殺気”だったのか・・。
ある意味、“殺気”のある音楽を作るカール・リヒターと仲がよかったという話はご存知でしたか?西側で夜、ムラヴィンスキーが行方不明、さて、“亡命か?!”と思ったら、2人で仲良く飲んでいたという話があったようです(なんか出来すぎな感じの話ですが。)。

garjyu
2006.07.27 Thu 15:23 URL [ Edit ]

Re:garjyuさん、こんにちは。 - 管理人:芳野達司

カール・リヒターとの飲み会の件、初耳です。リヒターはともかく、いかにも禁欲的なムラヴィンスキーが酔っ払っているところは想像し難いですね。彼の優秀な録音での新譜を待っていますが、これも実現は遠いようで…。
2006.07.27 20:47

無題 - yokochan

こんばんは。でかいシジミは凄いですね。東海地区のアサリはハマグリ大ですが、しじみとはね。
ムラヴィンスキーは幸運にもNHKホールで学生時代聴けました。この曲とトゥオネラとチャイ5のヨダレのでそうなプロでした。怜悧でオケの完璧な鋼鉄のようなサウンドに驚いた記憶があります。むしろ、こわかったです。
2006.07.27 Thu 22:55 URL [ Edit ]

Re:yokochanさん、こんばんは。 - 管理人:芳野達司

味はちゃんとしじみでした。次回入手できたら味噌汁にしたいと思っています。
生ムラヴィン、聴いちゃいましたか!!うらやましい!
ろくな録音がないだけに、生演奏でのギャップがいい意味でスゴカッタのだろうなーと、遠い目をして想像するしかありません。
2006.07.27 23:09
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