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お彼岸、リヒテル、グリーグ

2011.03.21 - グリーグ
  
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リヒテル(ピアノ) マタチッチ指揮モンテ・カルロ国立歌劇場管弦楽団


グリーグのピアノ協奏曲を聴いていつも思い出すことがある。シューマンの亜流である、というような吉田秀和の言葉である。キチンと引用すると「これはシューマンのそれにならったもので、別にわるい作品とはいわないが、いかにも亜流だ」(LP300選)というもの。そう言われると、曲の構成といい、規模といい、匂いといい、このふたつの曲はまるで双子の兄弟のように似ている。それぞれ1楽章の主題なんかも瓜二つだ。作曲時期は、シューマンが1845年、グリーグが1868年。これらを考慮すると確かに、悪い作品ではないけれどシューマンの二番煎じだよね、という評価もわからなくはない。
といいつつも、グリーグの曲には、たまに無性に聴きたくなる抗し難い魅力もまたある。果実のシャーベットのような、たっぷりと甘くて冷やかな手触りのメロディーは、まったく独特の感覚である。また、2楽章のオーケストラの導入部において、童話に出てくる森のような幽玄さを醸し出せるのは、グリーグをおいて他にいないのじゃないだろうか。そういう意味で、これはまったくユニークな音楽だし、いろいろな演奏家に取り上げられてきた価値があるし、これからもそうである。

リヒテルの力強いピアノに、マタチッチの野太く多彩なオーケストラが相俟って、豪快なのに幻想的な味も濃厚な仕上がり。不思議な演奏で、曲の奥行きの深さを改めて思い知らされる。

1974年11月25-30日、モンテ・カルロでの録音





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墓地の桜。
昨年の今頃は、蕾の奥にピンク色を覗くことができた。
今年は、少し遅いのかもしれない。




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携帯の写真だと小さくてよくわからないけど、真ん中は東京スカイツリー。
完成時の高さに到達。




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鴬谷の陸橋から。
いつもより本数は少ないけど、がんばって走っているよ。

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Comment

無題 - リベラ33

この作品はフィギアスケートの安藤選手が今シーズン使用されていますね。私はこれまでこの作品を特別に意識しなかったのですが、安藤選手の類いまれなる演技に魅せられると同時にこの作品への理解も深まったと思います。
2011.03.22 Tue 00:40 [ Edit ]

Re:リベラ33さん、こんばんは。 - 管理人:芳野達司

フィギアスケートの安藤選手といえば、あのミキティーですね。この曲を採用しているのですか。グリーグのこの曲は、どこを取ってもいいものですから、演技も映えるのじゃないでしょうか。どの部分を使っているのか気になります。
それにしてもこのリヒテル・マタチッチの演奏はなんとも武骨なもので、象が踊っているようです。
2011.03.22 21:55
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