

木本あゆみさん主催の「大人の音楽会」(2017年3月18日、大井町、カフェ・ド・キネマにて)。
※なんか、せっかくのパンフレットが皺くちゃですみません。。
このコンサート、出演してみたり、聴いてみたり。
アルト・リコーダーでR・シュトラウスの「献呈」を吹くという暴挙は、練習の段階ではまずまずうまくいっていたと思います。
ピアノとの事前合わせもしたし、家では2カ月ほど、毎日練習をしていました。だから、体が覚えていると思ったのだけど、その体が、うまく動いてくれなかった。
「あがった」のです。
お客さんは30名弱くらいなものの、実際にステージに上がると、当たり前なのかもしれないけれど、いつもとは違う空気を感じました。キチンとふさいでいる(はず)の指は穴を捉えておらず、スカスカの音が出てしまう。しばらくすると、それに加えて、腕がブルブルと激しく震えだす。こうなると、表情をつける、とか、タンギング、とかいうようなことも満足にできず、せいぜい音を出すことで精いっぱい。
なんとか、最後まで吹くことができたのが、不幸中の幸いだったと言えましょう。
終わった後、みんなから「緊張していたね」と、暖かい言葉をもらったのは、恥ずかしくも、嬉しかったな~。
これに懲りず、また機会があれば、吹いてみたいと思います。
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そんな状態であったので、自分が演奏した後は、しばらく茫然自失。落ち着いてから、控室から客席に移動させてもらって、残りの演目を聴きました。
金井彩織さんのフルート、渡辺ら夢さんのピアノによる村松崇継の「EARTH」。肉感的はフルートの音はとても艶っぽくもあって、聴いていてうっとりしました。技術的なところはよくわからないけれど、ほとんど完璧なんじゃないか。ピアノは盤石のサポートでした。
大堀博美さんのソプラノ、そして伴奏はヴァイオリンとヴィオラとチェロ、あとはファゴットだったかな、ヘンデルの「私を泣かせてください」。
大堀さんの、きめ細やかな歌が素敵でした。声にはしっとりと潤いがあり、聴いていて気持ちがいい。いかにも手慣れた感じがしました。欲を言うならば、もっとボリュームのある声だったらば、より魅力的な歌だったと思います。
最後はモーツァルトのピアノ協奏曲20番。1楽章をら夢さん、2,3楽章を木本あゆみさんが弾きました。
田中雅巳さんが指揮をするオケは、田中幾子さんのヴァイオリン、朝倉晴彦さんのヴィオラ、阿部貴司さんのチェロ、奥田陽子さんのオーボエ、亀田かおるさんと佐々木一成さんのフルート、山本弘登さんのファゴット、太田早紀さんのホルン、という布陣。
この演目は、4月15日が本番であり、このコンサートは公開リハーサルという位置づけ。たいぶ固まっているのじゃないかという感じ。全曲を通して、ら夢さんとあゆみさんの音色やスタイルのトーンが統一されているような感じを受けました。硬すぎず、柔らかすぎず、中庸な響き。ここのピアノはどこのだったかチェックし忘れたけれど、芯のしっかりとした音がしていました。なによりいいのは、いろいろといじくっていないところ。楽譜に書いてあることだけを信じ、慎重に吟味して、テンポの設定をしていると見受けられました。なので、テクニカルな面では100%ではないものの、やりたいベクトルというものは、ほぼ決定みたいな(ご本人たちに聞いたわけではないので推測ですが)。
そういうこともあり、この日は1楽章も3楽章も、ベートーヴェン(たぶん?)のカデンツァを省略して弾いていたのかもしれない。
オーケストラは、この編成は通常はなかなかないのだけれども、それぞれのパートがイキイキと、そしてクッキリと聴こえ、面白かった。特にファゴットの音色は楽しかった。
本番を聴きたくなる、演奏でした。
楽しかったです。
ありがとうございました。
パースのビッグムーン。
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