手塚幸紀の指揮で、日本IBM管弦楽団の演奏会を聴く。
ウェーバー 「魔弾の射手」序曲
ブラームス 交響曲3番
ベートーヴェン ピアノ協奏曲5番「皇帝」
この日の聴きものは、石井楓子のピアノ。
2013年の日本音楽コンクールの優勝者ということで、それなりの期待をしたが、それを上回る出来。
音はキーンと冴えて澄み切っており、ことに高音が綺麗。フォルテッシモでも濁らないあたりは、若い頃のアシュケナージを思い出される。
テンポは中庸で、強弱の変化も大きくない。淡々としているので、ピアノの音そのものの音色がより生きてくる。
大きく期待できる若手である。
オケもいいサポートを聴かせた。2楽章から3楽章にかけての経過句のホルンをバッチリ決めた。
ブラームスもいい演奏。ことにフルート、ファゴットを始めとする木管が冴えており、全体の演奏を引き締めた。
あまりに心地よく、4楽章で少し意識を失ってしまった。。
アンコールは、ショパンの「ドン・ジョヴァンニ」の主題による変奏曲。
初めて聴く曲だったが、わかりやすくて人懐っこい音楽。こうしたオケとソロとの音楽がアンコールでやられるのは珍しい。
「魔弾の射手」はやや弱めに奏されるホルンが肝になるわけだが、アマオケにあの個所は厳しいだろう。
2014年5月25日、東京、すみだトリフォニー・ホールにて。
PR