横山幸雄のピアノで、ショパンの練習曲全曲を聴く。
この曲の演奏スタイルを、むりやり3つに大別してみる。
ポリーニ型:冷酷非情な完璧主義。
コルトー型:テクニック面では問題があるものの、それを情感の豊かさで補うタイプ。
ホロヴィッツ型:ケレン味たっぷり、オレ流(ホロヴィッツは全曲はないけれど)。
横山は、ポリーニ型に分類される。ブラインドで聴いたら、日本人が弾いているとは思えない。圧倒的なテクニックを披露する。ポリーニと比べても、そう遜色はない。この技巧にひたるだけでも、このディスクを聴く価値はじゅうぶんにある。
一番スゴイと思えるのは、作品10-1、つまり、最初の曲である。堂々としてたっぷりとしたフレージングと厚みのある左手の音と、輝かしい右手の高音。なんとスケールが大きい演奏だろう。最初のこの曲で、勝負は決まった。
10-5もいい。リズムが的確で、まずそれが気持ちよいし、ひとつひとつの音はタンポポの種のように軽やかに飛翔する。なんて楽しいピアノだろう。
作品25のほうは10に比べると曲によって完成度のムラがあると思うが、なかでも好きなのは、トリッキーなリズムが楽しい25-4、可憐で儚い25-9、あたかもシューマンのような夢見心地の中間部をもつ25-10、といったところ。横山のピアノに隙はない。
欲深いことを言えば、曲によって音がこもりがちなのが気になった。まるで薄い靄がかかったような響きなのである。録音の塩梅によるものか、横山のピアノがそういう音色なのか、ディスクでは判断できない。
いつか、彼のピアノを生で聴いてみよう。
1992年10月、静岡下田、シビック・ホールでの録音。
内田百閒にならって列車の旅。
今回の旅は、福島、仙台、盛岡のルート。
昼間はひたすら列車に乗り、夜はただ呑む。地元の人と呑んで、震災後の話などを聞く。
4日目は盛岡~東京。
ほや酢。清冽な味わい。
あいなめ刺身。この量はひとりには多かった。
なので冷麺は半分に。
カウンターにひとり佇む河童くん。
開運橋。
新渡戸稲造。
チャグチャグ馬コ。
やまびこ。これで帰京。
通りすがりのこまち。
はやて。
はやてとこまち。
郡山と仙台と盛岡のみなさんにはお世話になりました。親切にしてくれてありがとう。
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