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伝ラインハルト・カイザー、"マルコ受難曲"

2017.06.12 - 演奏会

ma




FB友達の廣瀬さんのご案内で、伝ラインハルト・カイザー作曲、バッハ編纂による、「マルコ受難曲」公演に行きました(2017年6月11日、保谷こもれびホールにて)。


この日に行われた「マルコ受難曲」のバージョンは、バッハが1743~48年頃に演奏したもので、原曲に対して、ヘンデルの7つの独唱曲と、バッハのコラール2曲を加えたものとなっているとのことです。
なので、同じ「マルコ」といっても、今年の4月に淀橋教会で行われたPablo Escande補筆の版とははっきり異なるようです。あれは、バッハが作曲したという前提が一応あって、それを後年の人が補完したという建てつけだったので。
よって、その比較が聴きどころの大きなひとつと思いました。

実際にきいてみると、Pablo Escande版では、2部でマタイの有名なコラールが2部で何度か歌われることから、マタイ受難曲の痕跡を聴くことができました。
カイザーのものでは、後半で福音史家が裏切り者である「バラバ」という言葉を発するものの、群衆の叫びはないことから、マタイ色は薄い。だから、というわけではないかもしれませんが、抑揚や劇的緊張感は抑えられており、全体を通じて、音楽は淡々粛々と進みました。トーンは渋かった。


さて演奏は、伸びやかな福音史家と重厚なイエスとが、盤石の歌い回しでしっかりと土台を支えていました。とくに福音史家は、出番が多いうえにテノールのアリアも歌っており、八面六臂の活躍。
アルトの青木さんはやっぱり存在感がある。軽やかで美しい歌声が放たれるとき、天使が舞い降りるような錯覚すら覚えました。カウンター・テナーとアルトとの違いがいま一つわかりませんが(笑)。
合唱は、手厚い響きの男声と、透明度の高い女声とがあいまって、ときには柔らかに、ときには力強いハーモニーを奏でており、聴きごたえがありました。
オーケストラは、小編成(13名)をいかした、肌理細かなニュアンスを湛えたもの。技量も高い。とくにバロック・オーボエの闊達な演奏は、印象に残ります。



ソプラノ:鈴木美登里
アルト:青木洋也
テノール(福音史家):櫻田亮
バス(イエス):小藤洋平
指揮:大塚直哉
コンサートマスター:桐山建志
器楽アンサンブル:コーヒーカップ・コンソート
合唱:東京マルコ受難曲合唱団(合唱指揮 吉田真康)
監修:加藤拓未










ma
 
パースのビッグムーン。








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