ラ・フォル・ジュルネ第2弾、そして最終回。昨日5月4日の公演。
国際フォーラムのAホール(ドストエフスキー)。収容人数は5000人。
サントリー・ホールが2000人、NHKホールが3600人ということだからかなりの大きさであり、昔、カラヤン/ベルリン・フィルが公演を行った悪名高い普門館と同規模である。
座った席は2階の真ん中後方で、天井があと数メートルで届くような文字通り天井桟敷の席。
舞台の遠さに目が眩む。東京ドームの外野席にいるような気分だ。メンバーの顔はまったくわからない。
遠いとはいえ音響がよければ満足なのであるが、音楽専用の建物ではないのでそれなりのものだ。
1曲目はチャイコフスキーの「くるみ割り人形」組曲。
指揮は飯守泰次郎。全体にゆっくり目のテンポで鳴らしていて、響きが厚い。アンサンブルの精度が荒く聴こえるのは、ホールの大きさにも問題があるのだろう、ぼんやりとしていて密度の薄い感じがした。
次はラヴェルのピアノ協奏曲ト長調。ピアノ独奏は清水和音。最近の彼を写真でみると、横に巨大化し風貌も荒々しくなっているので、それなりに芸風も変わってきたのだろうか。といってもそんなにしょっちゅう彼の演奏を聴いているわけではないのでなんともいえないのだが、この日の演奏は良かった。ピアノの音につややかさがあり、リズム感が際立っていて、この巨大なホールでもその音質の輝きは響き渡っていた。オケは、私が気づいただけでも音の欠落やはずしが目立ち、片手では足りないくらいだった。速い楽章では特に管楽器に高い技量が必要と思われるが、ちょっとはずしすぎ。
最後はグリンカの「スペインの夏の夜の思い出」。この曲は聴いたことがなかったので、ナクソスの視聴サイトを探したらうまい具合に見つかり、少しではあるけれど予習ができた。
題名の通り、スペイン風の舞曲のリズムが印象的な曲で、ロシアの作曲家の作とは思えないくらい熱い音楽だ。オケは滞ることなく、流れがよかった。響きは渋いが今日の中では一番いい演奏だった。
一昨日の公演では1枚物のプログラムをくれたのに、今回はなかった。もしかして取り忘れたか。ビルバオ交響楽団についての情報をもう少し知りたいところだった。PR
無題 - しじみ
Re:しじみさん、こんばんは。 - 管理人:芳野達司
ラ・フォル・ジュルネは比較的安価なチケット、そして時間帯が自由なので、適当に行ってみました。
ヒトはかなり多かったですし、そのせいか女性トイレも開演前に長蛇の列でした。それから、この音楽祭の特徴として就学未満の子供が入れる公演があって、このコンサートもそうだったのですが、そのせいで全体の雰囲気が緩慢になります。落ち着いて聴くには、あまりよい環境ではないようです。
その反面、朝から晩まで公演があるので、都合の良い時間帯にいけるというのがメリットです。
これだけたくさんの公演をやっている以上、それぞれにかなりムラがあるのでしょう。私の行った2公演は、まあ普通だったと思います。
2007.05.06 21:20
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