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エッシェンバッハのモーツァルト「ピアノ・ソナタ第11番」

2008.07.06 - モーツァルト
mozart

モーツァルト ピアノソナタ集 エッシェンバッハ(Pf)


中学2年のときの音楽の授業で、モーツァルトの「トルコ行進曲」のききくらべがあった。
ヘブラーとホロヴィッツとエッシェンバッハであった。
金子健志がちょうどこの頃に、FM放送で演奏家のききくらべをしていたけれど、どちらが先だったか。
面白いことをやる先生だった。クラシック音楽に興味のないヒトはどう思ったのかわからないが、私はちょうどその頃にクラシック音楽を聴き始めたので、この授業が面白かった。今でもよく覚えている。
なにしろ有名な曲なので、この曲を聴いたことは何度かあった。そのなかでヘブラーのは、中くらいの良さがあって、クセのない実直な演奏だと思った。エッシェンバッハのは、筋肉質というか無駄をそぎ落としたようなスリムな演奏で、繊細な演奏だと感じたけれど、次のホロヴィッツのがなんといっても面白かった。
なんという派手でダイナミックな演奏。ヘブラーやエッシェンバッハのはいかにもモーツァルトっぽい、簡潔なピアノだったのに対して、このホロヴィッツは破天荒な迫力に満ちた演奏で、深く記憶に残っている。


当時の印象は、基本的に今聴きかえしても変わらない。
エッシェンバッハのピアノは、細くてカロリーオフだ。脂ぎったホロヴィッツの演奏とはおよそ対照的で、禁欲的ともいえるようなものである。
特に有名な第3楽章の演奏は、それが目立つ。
スタッカートまではいかないけれど、音をあまり長く延ばさないで短く切り込んだ結果、素朴な音色を醸し出している。華やかに鳴らそうとしたらもっとできるところを、ぐっとこらえて抑えている感じであって、それが実に独特の雰囲気を醸し出す。
料理でいえば精進料理。薄い味付けは、素材の淡白な味わいを引き立てている。

1967年5月、ベルリンでの録音。
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