ジュリーニ指揮ベルリン・フィルの演奏で、モーツァルトの交響曲41番「ジュピター」を聴く。
ジュリーニは1990年代にソニーでモーツァルトの後期3大交響曲を録音している。39番はとても遅くて、いくらジュリーニを好きでもちょっとついていけない感じをもったが、40番と41番はいくぶん遅いくらいで、自然。
「ジュピター」は弦楽器の厚みと、トランペットとティンパニの溶け合う音とがうまくマッチしており面白い。副声部のファゴットがよく聴こえるところも愉快。
弱音器をつけた弦楽器による2楽章は、とても美しい。馥郁たる香りのする響きは、幻想的といっていいほど浮世離れしている。
終楽章の冒頭は弦楽器によるキザミがホロホロとしていて、ひとつひとつの音が明快に聴こえる。ジュリーニの工夫である。こういう演奏を初めて聴いた。
ラストはおおらかに明るく締めくくられる。
1991年5月、ベルリン、ダーレム、イエス・キリスト教会での録音。
提灯。
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