常見陽平の『「すり減らない」働き方 』を読む。
著者はリクルート出身の人材コンサルタント。
「はじめに」での文章は実直なので期待したが、本文は月並みでつまらない。読んだことすら忘れていたが、本棚に転がっていたのを見て思い出した。
「トヨタといえば、『なぜ』を5回繰り返すことで有名です。理由をとことん突き詰めるのです」。とトヨタを持ち上げている。
鎌田慧の著書を読んで考えるに、トヨタは元祖「ブラック企業」である。実際、彼は季節労働者としてトヨタの工場で働いている。そのルポが「自動車絶望工場」。工場での詳しい模様が描かれている。
華やかなホワイトカラーだけがトヨタではない。工場で機械を組み上げているのがトヨタなのだ。ベルトコンベアーを速くすれば生産性は上がるだろう。過酷な現場は怪我人も少なくない。半身不随になる工員もいる。もちろん、ほとんどが臨時雇用であった。
今はどうなのだろうか。




レヴァイン指揮ロンドン交響楽団の演奏で、マーラーの交響曲6番を聴く。
LPでは図書館で借りてたびたび聴いていたが、CDは聴くのは初めて。
たぶんインテンポであろう速度と、合奏の精確さ、そしてパンチ力の大きさは、ショルティ指揮シカゴ交響楽団のスタイルに似ている。この頃のレヴァインは、ショルティの様式を踏襲していると感じる。
ただ、こちらは音が太い。鉛筆で言えば、シカゴがHだとすると、ロンドンは2Bくらい。RCAのまったりとした録音が相俟って、野太いマーラーに仕上がっている。
いちいち、ティンパニが強いところがこの時期のレヴァインらしい。この曲には合っている。破壊力があってよい。
他の楽器群も元気いっぱい。クラリネットもホルンもオーボエもヴァイオリンも。豊かな表情を湛えながら、音量は大きい。
件のハンマーは2回だと思う。1度目は金属的な高い音。多くの同曲異演中の中でも、かなりインパクトがある。背筋が痺れる。
2回目はずっしりと重い。1回目とは異なる響き。違う素材を使っているのでは?
3回目はハンマーの代わりに、何対かわからぬほどの大量なシンバルが強烈に響く。あたかも、この世の終わりのような様相。音は割れまくり(これはウチの装置の問題かも)。これはこれで、そうとうショッキングではある。
このようなレヴァインの攻撃的なやり方であれば、3度目もハンマーを導入して良かったのではないか、とも思う。そうしたらマーラーの意志とは、違う話になるけれど。
1977年、ロンドン、ウォルサムストウ・タウン・ホールでの録音。
湖。
重版できました。

「ぶらあぼ」4月号に掲載されました!PR