クーベリック指揮バイエルン放送交響楽団・他の演奏で、マーラーの交響曲2番「復活」を聴く。
エディト・マティス(ソプラノ)
ノーマ・プロクター(アルト)
バイエルン放送交響合唱団(合唱指揮:ヴォルフガング・シューベルト)
このディスクは10年ほど前に購入し聴いたが、あまりピンとこなかったので放置していた。クーベリックのマーラーは気に入っているが、「復活」だけはいまひとつかと思っていた。
この曲を無性に聴きたくなり、棚を見たらすぐに目に入ったので、手に取った。
聴いてみると、いい。とても。ひとつひとつのフレーズに細かなニュアンスがついているから、テンポは総じてやや速めだけれど、せかせかした感じはない。それが自然でどこも腑にストンと落ちる。冒頭のコントラバスの迫力はなかなかのもので、左のスピーカーが割れる。
また、副声部の楽器がはっきりと聴こえるところも面白い。クーベリックは基本的に対抗配置をとっているから、ヴァイオリンは明瞭に聴こえる。木管楽器がハッキリと浮き立つところは、クーベリックの工夫だろう。普段あまり聴こえないホルンのトリルは3楽章で聴くことができる。
金管楽器がうまいことは特筆に値する。シカゴ交響楽団のような圧力の強さはないものの、弱音のコントロールが見事。じつにデリケート。まったく危なげがない。目立つうまさではないが、かなりの腕前とみた。終楽章の舞台裏のトランペットがまた、独特の雰囲気を醸し出している。
マティスは可憐。プロクターは濃ゆい。コーラスは柔らかく精緻。
ラストは一直線に爆発。気持ちがいい。
10年前はなにを聴いていたのだろう。なんて迂闊な。
1969年2月、3月、ミュンヘン、ヘラクレス・ザールでの録音。
ヨット・ハーバー。
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