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ベイヌムのベートーヴェン「交響曲第2番」

2010.01.03 - ベートーヴェン
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ベイヌムのベートーヴェン


明日は仕事始め。
毎年思うのだが、年末年始の楽しさのピークは大みそかにあるような気がする。それを過ぎると、仕事のことがアタマのなかを徐々に浸食してきて、前日になるともうクタクタである。夕方になるにつれ憂鬱は増してくる。寒いのもつらいし。
そういうときにキクのが、庄野潤三の「プールサイド小景」。昨日、カミサンの実家にいく電車のなかで読んだもの。
繊維会社の課長代理であった40男が首になる。会社の金の使い込みがバレたからである。動揺した妻は、どうしてそんなことになったのかを旦那から聴いてゆく。会社勤めをすることの厳しさと不条理さ。結婚して初めて聴くそれらの話から、いろいろな思いをはせる。
勤め人の悲哀をこれほど端的に描いた小説を知らない。
ココロがくたびれたときは、30分あれば読めてしまうメンタル本を10冊読むよりも、こちらの33ページをお勧めする。


ベートーヴェンの2番は元気のいい曲だ。ベートーヴェンの耳はこの曲を書いている頃から悪くなっていったと言われているが、音楽からはそのような気配は微塵も感じられない。ありあまるパワーが惜しみなく放出しまくっていてまぶしいばかり。
ベイヌムの指揮は豪快に音を鳴らしきっていて、じつに景気がいい。少なくとも昨今のデフレスパイラルのものではあり得ない。どの音符も活気に満ちていて、不安の影は見当たらない。
オーケストラもコクがあってキレがある。おおらかで香りのよい木管と肌理の細かな弦が、たっぷりとした残響のなかに響き渡る。


1954年5月、アムステルダム・コンセルトヘボウ大ホールでの録音。

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Comment

無題 - rudolf2006

吉田さま お早うございます〜

お正月はいかがお過ごしでしょうか?
確かに、大晦日が一番愉しい日かもしれませんね〜
吉田さんが転職されたのは、もう何年前でしょうか?「せまじきものは。宮仕え」という歌舞伎の台詞(「寺子屋」ですが)がありますが、時代が変わっても、あまり変わらないのかもしれませんね〜。

去年はベイヌム、吉田さんの影響でかなり聴きました。廉価盤が出たということもありますが〜。良い指揮者ですよね、それにオケが巧いです〜。カイルベルトにしても、このベイヌムも若くして亡くなったのが、残念ですね〜。この二人が生きていれば、60年代から70年代のヨーロッパの音楽地図は大きく変わっていたでしょうね〜。
このベトベンも、秀逸な演奏ですよね。

ミ(`w´彡)
2010.01.04 Mon 04:40 URL [ Edit ]

Re:rudolf2006さん、こんにちは。 - 管理人:芳野達司

いつもコメントをありがとうございます。

正月は例年通り寝正月でした。テレビもラジオもろくなものをやっていないので、本を読むのがいいようです。
本文でも書きましたが、庄野潤三はかなりよいです。勤め人向けの本ということでは、乱発する新書軍団は束になってもなかなか敵わないでしょう。是非ご一読を。

ベイヌムが亡くなったのは比較的若いころですね。若くして亡くなった指揮者といえば、カイルベルト、あとカンテルリとケルテスを思い出します。最近ではシノーポリが印象的です。
2010.01.04 22:11

無題 - yokochan

こんにちは。
遅ればせながら、本年もどうぞよろしくお願いいたします。
仕事中に暇なもので、書き込みです。
不景気すぎてこんなことができます(涙)

私も昨晩は、ベートーヴェンの2番をクリュイタンスで聴きました。
ベイヌムもオケとともによさそうですね。
どちらも今では聴かれない、良き時代のヨーロッパの響きを感じさせてくれます。

おもしろそうな作家をご案内いただきました。
しっかり覚えておきます!
2010.01.06 Wed 13:11 URL [ Edit ]

Re:yokochanさん、こんにちは。 - 管理人:芳野達司

こちらこそ、本年もよろしくお願いいたします。

私は宮仕えなゆえ、景気が悪くとも新年からバタバタしております。なんだか、さびしい限りです。
クリュイタンスのベートーヴェン、昔から噂にきいていますが、まだ聴いたことがありません。LP時代にセラフィムのシリーズで出ていたのをやり過ごしたころから、タイミングを逸し続けています。
ベイヌムの2番は、今の世相とは異なり景気のいい演奏です。ベートーヴェンは元気がいいですね。
「プールサイド小景」、サラリーマンのやるせなさをあらわすこと絶妙、毎日の出勤に持ち歩いています。
2010.01.06 20:55
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