忍者ブログ

江戸川公園、ゲルギエフ、"幻想交響曲"

2013.02.24 - ベルリオーズ
 
ber
     

 
ベルリオーズ「幻想交響曲」 ゲルギエフ指揮 ウイーン・フィル





江戸川公園は桜並木が有名だけど、梅はどうかと思って歩いていたら、数株植わっていた。

ume



頑張って咲いている。白とピンクのコントラストがいい感じ。

ume



この携帯写真ではちょっと伝わりにくいな。

ume







ゲルギエフの「幻想交響曲」を聴く。

1楽章は中庸な演奏。ウイーン・フィルの柔らかい響きが心地よい。
2楽章はスタイルはいささか泥臭いものの、ウイーンの音色が良く生かされている。ことにハープの優美な色合いがいい。コルネットはなし。
3楽章は緻密。テンポをゆっくり目にとって深みをみせる。また、音のダイナミックレンジが広い。コーラングレやオーボエのなんてひかえめな音。それに比べて、ピチカートに乗って迫るクラリネットは強力! 雷は起伏が大きいが肌理は粗い。
4楽章は重厚。厚みのあるティンパニの音がこの楽章のスタイルを象徴しているよう。チューバがよく聴こえて、彩りが豊か。
終楽章は白熱。出だしは低弦とティンパニが重心の低いアプローチで迫るが、だんだんといろいろな楽器を巻き込んで熱を帯びてくる。ラストは丁寧にメリハリをつけて盛大に締めくくられる。

全体を通して熱い演奏。それはあくまで健康的な熱さであって、狂気の色は薄いようだ。



2003年5月、ウイーン、ムジークフェラインでのライヴ録音。














PR
   Comment(3)    ▲ENTRY-TOP

Comment

ゲルギエフの容貌 - neoros2019

当初、CDジャケットを飾るゲルギエフのそれは、ロシア人でなにか苦悩するドストエフスキーなどを連想させてしまうかの感を期待していたのですが
宇野氏推薦もあり春の祭典を皮切りにショスタコなど耳にしましたが、どうにもこうにも強いインパクトや独自の個性とかは得られませんでしたね
それから、少ししてNHKの番組で来日公演を眼にしましたがその指揮姿にも好感は持てませんでした
ラトルの方がましか?
2013.02.25 Mon 21:12 [ Edit ]

ゲルギエフの評価 - 管理人:芳野達司

neoros2019さん、こんばんは。
ゲルギエフは髪型がいいですね。
それはともかく、音楽はまだちょっとわからないところが…。
「ハルサイ」はけっこうな演奏だと思います。けっこうパンチが効いていて、ロシア臭も濃厚。ときどき取り出して聴きたいディスクです。
このベルリオーズは、微妙でした。全体的にうまくまとめているものの、この作曲家の狂気をかんじるところはすくなかったですね。
悪い演奏ではないのですけど。
今後、聴いてみたい指揮者のひとりです。
2013.02.26 21:45

ゲルギエフの「幻想」 - Yuniko

ポンコツスクーターさま、こんばんは。
ゲルギエフの「幻想」、私も発売されてすぐに買いました。ゲルギエフの、というよりもウィーン・フィルとの「幻想」に惹かれて買ったのですが、聴いた感じはやっぱり今一つでしたね。宇野氏が「ベルリオーズの情念が青白く燃える」なんて誉め讃えていたけど「?どこが?」という感じでした。残念ながら、今は手元に残っていません。
この「幻想」を買う1年ほど前に、実はゲルギエフ&キーロフ歌劇場管のライヴを聴いています。前プロが「禿げ山の一夜」その他のロシア管弦楽曲ステージ、メインが「シェエラザード」でした。どの曲も音がバカデカかったのを覚えています。「禿げ山」冒頭の弦のトレモロもかなりデカい音で始まりましたから。アンコールで演奏したリャードフ(だったかな?)の「魔法の泉」という曲がキラキラして繊細な演奏だったので、そちらの方が印象に残っています。
その後、「だったん人の行進」その他を収めたロシア管弦楽曲集のCDを買ったりしましたが、残念ながらそちらの印象も今一つで、やはり手元に残っていません。
というわけで、ゲルギエフは世評はとても高いのですが、私の中での評価は定まっていません。でも、主様おすすめの「春の祭典」はいつか聴いてみたいと思っています。
「春の祭典」といえば、ユニバーサルに続いてSONY&BMGからも「春の祭典初演100周年記念BOX」が発売になります。ストコフスキー&フィラデルフィア、ストラヴィンスキー自作自演(ニューヨーク・フィル&コロンビア響)、モントゥー&ボストン響、オーマンディー&フィラデルフィア、ブーレーズ&クリーヴランドの旧盤、小澤&シカゴ響、バーンスタイン&ロンドン響(いつか私がこのブログで酷評した)、ティルソン=トーマス&サンフランシスコ響など、SONY&BMGに残された「春の祭典」の名盤10種類を、オリジナルジャケット&オリジナルカップリングでBOXにした企画です。ユニバーサルの「春の祭典BOX」は予約しなかった私も、こちらは購入を決めてしまいました。こちらは聴いてみたい演奏が目白押しだし、ダブりはほとんどないし、実はバーンスタイン&ロンドン響の演奏には「こんなはずではなかったのだが・・・・」という未練があるので。
2013.02.26 Tue 23:14 [ Edit ]

ゲルギエフは微妙ですね - 管理人:芳野達司

Yunikoさん、こんにちは。

宇野氏がそんなことを言っていたのですか。ぜんぜん青白く燃えてませんよね。それならマゼール(CBS)やドホナーニの演奏のほうがこの言葉に合うのではないかと。
ゲルギエフ&キーロフ歌劇場管のライヴを聴かれましたか。興味をそそるプログラムですね。音がでかいですか。シカゴやベルリンなら聴きましたが、あんな感じなのですかね。

私も、ゲルギエフはじつはあまり聴いていなくて、よくわかっていません。そのなかで印象的だったのが「春の祭典」です。これはいかにもロシアのオケといった感じの重厚な演奏で、迫力があってよかったです。
「春の祭典」のBOX、ユニバーサルのものも気にしていましたが、SONY&BMGからも出ましたか!
これもそそりますねえ。ユニバーサルも良さそうだし、悩ましい・・・。
2013.02.28 15:33

ゲルギエフ&キーロフ歌劇場管の詳細 - Yuniko

ゲルギエフ&キーロフ歌劇場管の来日公演の感想をもう少し詳しくお伝えします。
聴いたのは2002年の10月、新潟市のりゅーとぴあコンサートホールでした。
ゲルギエフ&キーロフ歌劇場管はこのホールのこけら落としで来演しており、その時はチャイコの後期3大交響曲を3晩続けて演奏しています。その時にりゅーとぴあの音響を絶賛し、再びの来演を約束して帰ったということでした。因みにりゅーとぴあは新潟市にあるクラシック音楽専用ホールで、サントリーホールのようなワインヤード形式です。音響はやはりサントリーホールと似ていて、よく響くのですが、少し爽やかすぎ明るすぎる気もします。
曲目は前プロが「禿げ山の一夜」ほかのロシア管弦楽曲ステージ、メインが「シェエラザード」、アンコールがリャードフの「魔法の泉」でした。
前にも書いたように音はとにかく大きかったです。ベルリン・フィルよりもシカゴ響の音の大きさに近い硬質な感じでした(私はどちらのライヴも聴いた経験あり)。特に金管の響きは似ていました。でも、ロシア的というか輝かしいけれど暗い響きの金管でした。弦の音も硬質、でも金管の最強奏には負ける。
CDで聴くキーロフ歌劇場管の音は、私には合奏がユルい音に聞こえますが、ライヴではそうは感じませんでした。でも「禿げ山」の冒頭の音も大きかったのは「ちょっと何だかなあ」という感じでした。
とまあ、前プロとメインはこんな感じの音の競演でしたが、アンコールの「魔法の泉」が硬質な響きの宝石を散りばめたガラス細工ような繊細かつ美しい響きでした。こちらの方がいい演奏だったし、印象にも残っています。
終演後、楽屋出口で待っていると、ホールの人が楽屋に招き入れてくれて、ゲルギエフのサインをもらいました。楽屋でのゲルギエフは濃紺のコートを着てマフラーを巻いており(まだ10月でしたが)、ソフトな物腰の紳士でした。うっすらとあごひげほおひげを生やしているところは、写真と同じでした。落ち着いた感じでサインをしてくれて、握手をしてくれました。
ちなみに、順序が逆になりましたが、指揮台上のゲルギエフは、黒のスラックスに黒のシャツを着て、シャツのすそをスラックスの上に出しているラフなスタイルで指揮をしていました(燕尾服姿ではなかった)。これもCDジャケットの写真でよく見るゲルギエフの姿と同じでした。
2013.02.28 Thu 22:15 [ Edit ]

詳しいレビューをありがとうございます。 - 管理人:芳野達司

Yunikoさん、こんにちは。
新潟にりゅーとぴあコンサートホールがあるのですね。サントリーホールのようなワインヤード形式ならば素敵なところなのでしょうね。
ゲルギエフによる「シェエラザード」はCDで聴きました。濃厚で迫力のあるいい演奏ですね。それを生で聴けるなんてうらやましい。
なるほど、シカゴ響の音の大きさに近いですか。私はショルティとブーレーズで聴きましたが、あの硬質な感じがなんともいえませんね。
実はロシアのオーケストラを生で聴いたことがないのです。吉田秀和の評論を読む限り、金管はでかい音を出す、というようなことが書いてありましたが、やはりそうなのですね。

楽屋出口で待っていると、気分のいい演奏家は中に入れくれることがありますね。私も昔よく並んだものです。ジュリーニとかテンシュテットとか・・・。
ゲルギエフはオシャレでダンディな男でもあります。
2013.03.01 16:41
コメントタイトル:
投稿者名:
Mail:
URL:
投稿内容:
Password: ※1
Secret: 管理者にだけ表示を許可する※2
※1 パスワードを設定するとご自分が投稿した記事を編集することができます。
※2 チェックを入れると管理者のみが見ることのできるメッセージが送れます。
カレンダー
03 2024/04 05
S M T W T F S
1 2 3 4 5 6
7 8 9 10 11 12 13
14 15 16 17 19 20
21 22 23 24 25 26 27
28 29 30
ポチっとお願いします(´_`\)  ↓ ↓ ↓
最新コメント
カッチェン、フロマン、ブラームス"ピアノ協奏曲2番" from:Yoshimi
-11/16(Thu) -
フルニエ、フィルクスニー、ブラームス"1番" from:老究の散策クラシック限定篇
-03/18(Sat) -
ゼルキン、オーマンディ、ブラームス"1番" from:老究の散策クラシック限定篇
-02/20(Mon) -
ゼルキン、オーマンディ、ブラームス"1番" from:“スケルツォ倶楽部”発起人
-02/20(Mon) -
古典四重奏団、ベートーヴェン、15,13"大フーガ" from:老究の散策クラシック限定篇
-10/30(Sun) -
最新TB
カテゴリー