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ガーディナーのベルリオーズ「幻想交響曲」

2008.03.20 - ベルリオーズ


berlioz

ベルリオーズ「幻想交響曲」 ガーディナー指揮オルケストル・レヴォリュショネール・エ・ロマンティーク


この録音、非常に残響が少ない。大きい和室で演奏されているかのようだ。
ひとつひとつの音を明瞭に聴かせようとする制作者の意図があるのだろう。
でもその効果は、大きいとは言い難い。
他の録音と比べて、音の多さは感じられないし、新しい発見をこの演奏から見出すことはできなかった。
ノン・ヴィヴラートによる切り詰められた響きは、鋭さや明快さを押し出しているというよりは、むしろ貧弱さが滲み出ている。
この曲においては、クリュイタンスとパリ音楽院管で聴けるような芳香や、ショルティのメカニカルに徹したいさぎよさ、またはミュンシュとボストンによるひたむきな感情の発露などを知っている耳にとっては、物足りないと言うしかない。
ベルリオーズが生きていた時代の響きは、もしかしたらこういう響きだったのかもしれないが、それがこういう演奏では、当時の音楽世界はあまりにも貧弱だったと思わざるを得ない。
そんなことはないだろうと思う。
残響のひどく少ない、乾いた音で奏でられる即物的な音色が、虚無的な雰囲気を醸し出している。
それだけが指揮者のねらいだったのだろうか。確かに、その効果はよく現れている。
ベルリオーズの見た夢は悪夢だったのかもしれない。だけど、悪夢にはさまざまな多様性があるものだ。この演奏がそれだとしたら、少々寂しいものがある。
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Comment

無題 - rudolf2006

吉田さま こんばんは

こんな時間にコメントです、爆~

ベルリオーズ あの時代にあのオーケストレーション
まさに天才の筆になるものだと思います。
あの時代でも、あの編成だと、大きな音がしたと思います。だからヴァーグナーも感動したのではないかなって思います。
ピリオド奏法をするなら、ホールもピリオドにすべきではないでしょうか??
ヨーロッパは乾燥していて、管楽器も本当に良く鳴るそうです。ですから、実際には貧弱な音ではなく、おどろおどろしい音がしたんだと思います。

希代の変人かつ天才の名曲ですよね
私は二回演奏したことがあります。
一回目は、エキストラのハープが時間を間違えて2人とも来なかったという貴重な演奏、爆~
二回目は、大学時代の恩師(あるオケストラの首席奏者です)にセカンドを吹いてもらいました。先生も負けずに大きな音で演奏されるので、私もものすごく大きな音で、爆~ 終演後、先生が握手してくださったこと、良い思い出です~

ミ(`w´)彡 
2008.03.21 Fri 02:23 URL [ Edit ]

Re:rudolf2006さん、こんにちは。 - 管理人:芳野達司

コメントありがとうございます。

ベルリオーズのことを「書き上げられているのに未完成の感がある」と吉田秀和が言っていましたが、ひじょうにムラのある作風なのに天才を感じさせるところが彼ならではだと思います。

ベルリオーズの望んだ音は、こういうものではなかったのじゃないかと想像します。ガーディナーのものは、きれいに整理整頓されて小綺麗なものですが、いささか小さくまとまりすぎています。

この曲を実際に演奏したら、面白いのでしょうね。
>一回目は、エキストラのハープが時間を間違えて2人とも来なかったという貴重な演奏

確かに!
ドラマのようなハプニングですね。
2008.03.21 12:54
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