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ブーレーズのべリオ「カーヴで見出す点…」

2010.08.01 - ベリオ
  
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ピエール・ブーレーズ指揮アンサンブル・アンテルコンタンポラン ローラン・エマール(Pf)

デジタルカメラをオリンパスのものに買い換えた。今までもっていたユニデンのカメラは、保存した画像は見られるが、撮影ができなくなってしまった。いちおう修理屋に持っていったが、案の定、買ったほうがいいと。

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ルチアーノ・ベリオは野球好きであった。「カーヴで見出す点…」とは、野球の打撃論からヒントを得た管弦楽曲である。
もともとイタリアはヨーロッパでは比較的野球の盛んな国であり、メジャーリーガーも数多く輩出している。なかでも、1940年代から50年代にヤンキースで活躍したジョー・ディマジオは、イタリア系の選手としては一番有名だろう。
ベリオは1952年にアメリカに渡っているが、電子音楽を研究している合間に、スタジアムに足を運んだのかもしれない。こうした背景もあって、ベリオは野球に対してひとかたならぬ興味があったようだ。

それにしても野球をテーマにした音楽は珍しい。
冒頭からせわしない点描画のように鳴り続けるピアノは、ボールの回転を象徴している。そのまわりでポツポツと刻んで乱打される管楽器は、空気の抵抗を表わす。
一級のピッチャーが投げるカーヴをテレビで見ると、そうとうな角度で曲がりながら落ちる。これはプロでもなかなか打てないと思う。だけど、角度を変えてみると、だいぶ印象が違う。野球場の内野席から見てみると、曲がるタイミングは打者の直前ではなくて、だいぶ前の地点で曲がっていることがわかる。ボールを離した瞬間から、もう曲がり始めているといっていい。それがバッターボックスからは打つ寸前のように感じるのである。そういうわけなので、カーヴは曲がったあとに叩くべし。角度を変えて落ちてくるポイントを瞬時に予測し、バットを振るのだ。
カーヴは点で打つ。
それをベリオは、ピアノと管楽器で表現したのだった。

なんてね! 真夏の妄想。


1989年4月の録音。
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