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カラヤンのブルックナー「交響曲第8番」

2008.01.26 - ブルックナー

karajan

ブルックナー 交響曲全集 カラヤン指揮ベルリン・フィル


ブルックナーの第8の終楽章冒頭ほど血湧き肉踊る音楽は少ないだろう。
私はこの音楽を、カラヤンの演奏で初めて聴いたとき、ぶったまげた。あまりに驚いたので、もったいないと思い、家族ひとりひとりに聴かせ回ったものだ。皆、無反応だったが。
それから約30年。久しぶりにこの演奏を聴いてみる。

第1楽章は、ホルンの朗々とした響きが印象的。重厚でつややか。総じて、管楽器がすばらしい名技を披露する。
第2楽章も、管楽器の冴え渡る技量(なんといってもクラリネット!)、そして白光りする弦楽器群のパワーが圧倒的だ。中間部のハープが登場するところなど、部分部分に即物的なところもある。
第3楽章は、テンポはゆっくりしているものの、ヴァイオリンが鋭角的に切り込んでくるので、ややせっかちな感じを受けるところもある。でもやはり全体的に輝かしく、こよなく甘美な音響世界が繰り広げられている。全奏のときでも音が塊にならず、副声部のフルートやクラリネットが透き通って聞こえてくるのがステキだ。そしてそれは決して不自然ではなく、しっかり流れに溶け込んでいる。クライマックスはいささか唐突におとずれる感があるものの、迫力満点、むろんシンバルとトライアングルは絶叫している。
そして終楽章。冒頭のティンパニは強烈だが、リズムがよいので浮いた感じはしない。この楽章も、テンポがいい。ゆったりとした流れに、音符がぎっしりとつまっている。
カラヤンのこの演奏は、ワビとかサビ、あるいは行間を読む、といった風情のあるものではなく、むしろ行にふんだんの文字が埋め尽くされたような饒舌なものだ。実務的といえば実務的。でも、誠実な演奏。
ラストは金管の咆哮すさまじいが、ヴァントやジュリーニよりもむしろ上品に仕上がっていると感じた。
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Comment

無題 - rudolf2006

吉田さま こんにちは

カラヤンのブルックナー、8番が出てきましたね~
(^o^)

この録音は75年の録音のようですね~。
ブルックナーは、私がやっている楽器は、まったく面白くないことで、有名なんですよ。これまで一回も演奏したことがありません。でも、いつか演奏する機会があれば、と私は思っています。

吉田さんのこの記事を読んで、私も聴き出しました。1楽章の大きな音楽、2楽章も~ 時折、気づいていなかったパッセージが大きく聞こえるところもありますね、ヴィオラの動きがはっきりと聞こえてくるところが印象的でした。

なにがしら、教えてくれる演奏でもありますね~。ブルックナーの演奏では、弦楽器、金管楽器、それに木管では、フルートとクラリネットが重要な感じがしますね。その点で、この演奏、実に優れた演奏だと思います。3楽章以降は、また後で聴こうと思っています。
カラヤンは、ハース版が好きであったようですね~。

ミ(`w´)彡 
2008.01.26 Sat 12:50 URL [ Edit ]

Re:rudolf2006さん、こんにちは。 - 管理人:芳野達司

コメントありがとうございます。

75年の8番です。
rudolf2006さんがやられている楽器は、オーボエでしょうか。もしくはファゴット…。ブルックナーは、これらの楽器をあまり登場させませんね。木管ではもっぱらクラリネットかフルートというイメージです。これらの楽器は、この演奏では大活躍しています。

カラヤンの演奏では、普段気付かない音がよく聴こえます。それだけでも面白いですが、なんといってもテンポがいいと思います。落ち着く速さです。彼のベートーヴェンやブラームスは比較的速いですがブルックナーは総じて遅いようです。このテンポが実に快適です。
カラヤンはハース版が多いみたいですね。ハース版とノヴァーク版の違いがいまひとつわからない似非ブルックナー聴きです。
2008.01.26 22:09

無題 - bitoku

吉田さん、こんばんは。

カラヤン&BPOの70年代のブル8ですね。

私はこの盤より最晩年のVPOとの録音が好きですが、どちらもカラヤンの美学の結晶のようなブルックナーです。

>カラヤンのこの演奏は、ワビとかサビ、あるいは行間を読む、といった風情のあるものではなく、

確かにカラヤンにワビ、サビは合わないです。良くも悪くも西洋の美術工芸品のような華のある演奏って感じですか。
この盤も力強く精緻な演奏で実に70’Sカラヤンらしい指揮でした。

>ブルックナーの第8の終楽章冒頭ほど血湧き肉踊る音楽は少ないだろう。

同感です、同感です。(しつこい?)
第3楽章も大好きですが、第4楽章は本当に巨大な音楽ですね。

第3楽章、第4楽章だけ聴くことも結構あります。初めから全部聴くと長いので。(笑)


2008.01.26 Sat 23:04 URL [ Edit ]

Re:bitokuさん、こんにちは。 - 管理人:芳野達司

コメントありがとうございます。

最晩年のVPOとの録音もいいですねー。角が丸くなってより耽美的な演奏でした。それに比べBPOのは切り込み鋭く、輝かしい響きが眩しいばかりです。実に精緻なもので、どちらも手元に置いておきたいディスクです。

若い頃、4楽章が好きで、これだけを繰り返し聴いていました。冒頭が、指揮者によって実にさまざまで、聞き比べるのが楽しいものでした。
それからやがて、3楽章にもハマりました。
8番については、クナッパーツブッシュやシューリヒトの演奏は今もってすごいものですが、こうして聴くと、やはりカラヤンのもいいものだと、改めて感じました。
2008.01.27 10:00

無題 - nozart1889

カラヤンとBPOのブルックナー、懐かしいです。LP2枚組の時代、高価でもありました。
オーケストラが非常に美しく、完全な音響体となって迫ってきます。流麗でとても美しいブルックナーで、あまりゴツゴツしていない、野人的なブルックナーではないんですが、その美しさにいつも聴き惚れます。名演奏と思います。
2008.02.02 Sat 05:38 URL [ Edit ]

Re:mozart1889さん、こんばんは。 - 管理人:芳野達司

コメントありがとうございます。

LP2枚組み、大きな羽のデザインでしたね。
当時はあまりいいとは思わなかったですが、今思えば、あれはいいデザインだったと思います。
オーケストラの美しさは比類のないくらいですね。そしてテンポが実によくて、私にはしっくりきます。
流麗で、すばらしいですね。
後のウイーンフィルとのものも名演ですが、覇気のあるこの演奏も気に入っています。
2008.02.02 21:22
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クラシック音楽のひとりごと 2008.02.02   05:35
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