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ジュリーニ、ブラームス"4番"

2015.12.09 - ブラームス
ma


ジュリーニ指揮シカゴ交響楽団の演奏で、ブラームスの交響曲4番を聴く。

この曲を中学生の頃から聴き始めた。近所の水道端、小石川、真砂の図書館で借りたレコードを中心に。いくつか聴いた中で、マゼール/クリーヴランド管弦楽団と、バルビローリ/ウイーン・フィルの演奏に感銘を受けた。というか、滂沱の涙。なんでこんなにいいのか、わけがわからなかった。両者は、全然スタイルが違うのに。それで、この4番をブラームスの交響曲では一番気に入った。

それから40年弱。いろいろ好みは変わった。ここ10年では、チェリビダッケ/シュトゥットガルト放送響や、ヨッフム/ロンドン・フィルにも感動して、ディスクを大事にしている。
マゼールとバルビローリに関しては、社会人になってからCDを聴いて、それぞれいくぶん印象が変わった。マゼールの、クリーヴランド時代特有のポキポキ感はやはり私の腑に落ちるようで、今聴いてとても面白い。バルビローリのは、最近聴き直したが、昔ほどの感動は得られなかった。LPとCDの違いとか再生装置の問題が大きいとは思うが、ウイーン・フィルのこってりとした甘い響きを感じられなかったのである。
それとは逆に、ジュリーニ/シカゴ響の演奏は、昔は別になんの感慨もなかったが、このたびCDで聴き直したらとてもよかった。
ひとつあげるとすれば、1楽章の、展開部から再現部にはいるところ。ゆらゆらと立ちあがるヴァイオリンの嘆き。滋味に溢れた生命力。深い安らぎ。この味わい、子供にはわかりにくいだろう。

当時のシカゴは、ブラスの威力ばかり評価が高いが、実は弦楽器がいい。上質なシルクのネクタイのような手触りである。この質感が、4番の演奏を支えていると言ってもいい。

残念なことに、録音状態はいまひとつ。


1969年10月、シカゴ、メディナ・テンプルでの録音。





ma
 
初夏。





重版できました。




「ぶらあぼ」4月号に掲載されました!







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