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"プチクリ"、アシュケナージ、ブラームス"3番"

2016.04.16 - ブラームス

ma



岡田斗司夫の「プチクリ」を読む。


「ブログの書き手は、全員がプチクリです。美味しいケーキやラーメンを食べたら写真に撮って感想も書く、プチケーキ評論家にプチラーメン評論家。ブログで詩を発表するプチ詩人。短編小説を書くプチ作家やプチコラムニスト。映画の感想を発表するプチ映画評論家。プチデザイナー、プチ映画作家、プチ温泉評論家。その誰もが、本当に楽しそうです。」


著者は大阪芸術大学の教授だったときに、キャラクター造形学部を受け持っていた。150名いる学生のうち、プロのクリエイターになれる人間はわずか3人というところが相場だったという。
では、残りの147人はどうすればいいのか。趣味にすればいいのである。著者は、才能というものは「好き」であることだと断言する。医者や弁護士のように資格はいらない。例えば、料理が得意なら、プチ料理研究家。言ったもん勝ちである。名刺も作って、友人にも公言する。やりたいときにやって、嫌になったら休めばいい。義務はないから自由で気楽。

かくしてワタシ、プチ音楽評論家になったのです。笑






ウラディーミル・アシュケナージのピアノで、ブラームスのピアノ・ソナタ3番を聴く。

同じディスクには「ヘンデル・ヴァリエーション」がカップリングされているが、演奏そのものはこちらのほうを気に入った。
このソナタは3番とはいえブラームスがまだ20歳前後のときに作られたものだから、荒削りであり、おおいに情熱的。アシュケナージの技巧はたっぷりとした余裕があり、若書きの音楽を丁寧に弾ききっている。低音から高音まで、音色がピーンと冴えわたっている。

1楽章はピアノの音色が明るめだから、引き籠らない。わけのわからない何かに対して怒っている青春の血が、適度にたぎっている。
2楽章は、この演奏の最大の聴きどころといえるかも。アシュケナージの柔らかなピアノはとても瑞々しく、薄ぼんやりとした憂いを湛えている。
3楽章は響きが明るく、この曲にしては落ち着いた、おおらかな演奏になっている。
4楽章もやはり響きに光沢がある。この曲を聴くといつも夜をイメージするが、このピアノだと夕暮れ時くらい。
終楽章は、強弱のメリハリがはっきりとつけられていて、劇的に仕上がっている。短調から長調へ移り変わるところが、鮮やかで輝かしい。


1990年7月の録音。




ma
 
春。









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