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ムラヴィンスキーのチャイコフスキー「交響曲第6番"悲愴"」

2007.06.16 - チャイコフスキー

Mravinsky

チャイコフスキー 交響曲4~6番 ムラヴィンスキー指揮レニングラード・フィル


関東は梅雨入り宣言した翌日から晴れ模様。皮肉というかなんというか。
当たらない天気予報、嫌いではない。むしろ、全然当たらなくて、みんなからブツブツ言われるくらいがちょうどいい。世間話のネタにもなる。
新聞というものは、おおむね過去の事実を記事にするものだが、未来の出来事を書いている、いや書こうとしている数少ない欄が、天気予報と占いだ。
私は臆病なので、占いを信じようとしない。だから、なるべく占い欄に視線を飛ばさないようにしているのだが、なにかの拍子に見てしまって、これが悪そうだったりすると軽く落ち込む。また、良いときは、逆に疑ってしまうので、これもまた愉快ではないのだ。どちらにせよいい気分にならないので、はなから信じないことにしているわけ。
天気予報を信じないのは、これとは違う理由で、どちらかといえば人間が未来のことを予言することに対する怖さから感じるのだと思う。だから、はずれて大いに結構。
布団を干すには、ちょっと不便ではあるけれど。


第6はチャイコフスキー。この曲を初めて知ったのは、ネスカフェのCMである。汗みどろの岩城宏之が演奏するのが「悲愴」だと知ったのはどこでだか思い出せないが、とてもインパクトがあった。第1楽章のバス・クラリネットのppppppから爆発するくだりである。これは面白い音楽だと思った。当時は「田園」の嵐の部分と区別がつかず難儀したものだ。なにが難儀なのかわからないが。
最初に買ったLPは、カラヤン指揮フィルハーモニア管の擬似ステレオ盤。これは何回聴いたかわからないくらい、毎日のように取り出したもの。今でもこれは同曲の最上の演奏のひとつではないかと思っている。
もうひとつの気に入りは、ムラヴィンスキーのもの。
ムラヴィンスキーの演奏はいつも殺気立っている。半端なものはない。彼の演奏を知るには今では残されたCDを聴くしかないけれど、聴くたびに感服してしまう。
いつも感じるのは、研ぎ澄まされたヴァイオリンの音。アンサンブルはきっちりと整っていて、冷ややかに光を帯びた刃物のように鋭角的な切れ味をみせる。感覚的にはチェリビダッケの演奏の口当たりに似ているけれど、ムラヴィンスキーのほうが切り込みが深いようだ。
もちろん、レニングラード・フィルがよい。全体的にレベルが高いが、やはりヴァイオリンの精度の高さがすばらしく、比類ないものだ。この演奏は、チャイコフスキーの音楽をロシアのものとか西欧的だとか区分けするような議論を超越したものだと思う。
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Comment

無題 - rudolf2006

吉田さま お早うございます。

ムラヴィンスキー・レニングラードは、何度か演奏会に行くことができました。ライヴでも精度は高かったですね。昔は、メロディアのちゃっちいLP盤を何枚も何枚も持っていました。CD時代になってから、このチャイコの後期のシンフォニーの演奏だけは購入しています。ソビエト時代の方が何となく懐かしいですね~。

「悲愴」に一言、あそこのバスクラは譜面上は、バスーンになっています。ですが、バスーンでは音が小さくならないということで、バスクラで演奏されることが多いですね。ですが、最近は、バスーンの方が良いとのことで、バスーンで演奏することも増えているそうです。

ミ(`w´彡)
2007.06.16 Sat 10:17 URL [ Edit ]

Re:rudolf2006さん、おはようございます。 - 管理人:芳野達司

コメントありがとうございます。
演奏会に行かれましたか。うらやましいです。物故した指揮者の演奏を聴けるとすれば、フルトヴェングラー、セルと並んで聴きたい人です。最近ALTUSから日本公演のライヴの模様を聴くことができますが、すごいものです。

なるほど、譜面上はバスーンでしたか。そういえば、バスーンで演奏しているものもありますね。バス・クラリネットのほうが楽器として珍しそうなので、こちらが楽譜指定なのかと思っていましたが、逆でしたね。ご教示ありがとうございます。
2007.06.16 10:40

無題 - しじみ

こんばんは。
ダダダダーン!!!今度は「運命」の冒頭が流れてきました。これは何かの因縁でしょうか(笑)
さーて、私はどの録音にしようかしら?ムラヴィン&レン・フィルいいですよね。私も大好きです。
2007.06.16 Sat 20:16 URL [ Edit ]

Re:しじみさん、こんばんは。 - 管理人:芳野達司

「運命」の冒頭…重なってしまいましたか。因縁かも知れません。
こうなったら、とことん重なろうではありませんか(笑)。
「悲愴」の録音は星の数ほどあるので、予想できないですねー。しじみさんが何をお選びになるか、楽しみです。
2007.06.16 21:33

無題 - Niklaus Vogel

吉田さん、こんばんは! 私は当初この曲をマゼール&クリーヴランド盤で予定しておりました(笑)。
この曲は名盤に最も恵まれている交響曲の一つであると思います。ムラヴィンスキー、カラヤン、ショルティ、バーンスタイン、スヴェトラーノフ、そしてマゼールなどなど…たんに私に節操が無いだけかもしれません(爆)。
2007.06.16 Sat 21:47 URL [ Edit ]

Re:Niklaus Vogelさん、こんばんは。 - 管理人:芳野達司

コメントありがとうございます。
ジンセイで初めてきちんと聴いた交響曲がこれだったせいか、この曲についてはわりに評価が厳しく(笑)、どれも一長一短で決定打にかけるところがあって、その中でムラヴィンスキーとカラヤン盤はなかなかだと思っています。
1楽章と3楽章のコシが勝負だと。うどんではないですが。
2007.06.16 21:59

無題 - bitoku

吉田さん、こんばんは。

同曲は「新世界」と並んでめったに聴くことがありませんが(笑)、それでもフルトヴェングラー、カラヤン、ムラヴィンスキー等、好きな指揮者のCDは持っています。

>研ぎ澄まされたヴァイオリンの音。アンサンブルはきっちりと整っていて、冷ややかに光を帯びた刃物のように鋭角的な切れ味をみせる。

吉田さんは素晴らしい表現力ですね。ムラヴィンスキーの演奏は本当に鋭角的な演奏が多いように思います。
流石にムラヴンスキーの手勢のレニングラード・フィルは精度が高いですね。
音楽評論家のUNO氏(笑)がムラヴィンスキー&レン・フィルの演奏を”髪の毛1本ほどの乱れを見せない”と何かのライナーに書いていました。



2007.06.16 Sat 23:06 URL [ Edit ]

Re:bitokuさん、こんにちは。 - 管理人:芳野達司

コメントありがとうございます。
クラシック音楽を聴き始めたころは、毎日のように聴きまくっていたものですが、最近は落ち着きました。とはいえやはり大事な曲のひとつであり、ときおり取り出しては唸っております。

>吉田さんは素晴らしい表現力ですね。
恐れ入ります。ちょっとクサいですかね。しかしムラヴィンスキーの演奏は格調が高く、いつも新鮮です。このコンビの生演奏は、聴いてみたかったものです。
UNO氏はこの演奏を「非情」とも言っていましたね。ゴルゴ13を連想します。
2007.06.17 10:02

無題 - mozart1889

吉田さん、おはようございます。
ムラヴィンスキーの「悲愴」はホンマにスゴイ演奏だと思います。4番も5番も凄かったですが、この「悲愴」のアンサンブルも圧倒的ですね。鋭利な、尋常ならざる集中力もスゴイです。
弦楽セクションは痛切に響き、金管は咆吼しまくります。聴いているとクタクタになるほどの凄演でした。
2007.06.17 Sun 07:28 URL [ Edit ]

Re:mozart1889さん、おはようございます。 - 管理人:芳野達司

コメントありがとうございます。
ムラヴィンスキーの「悲愴」をライヴでは聴いたことがないのですが、このスタジオ録音は録音も年代にしてはなかなか良くて、こういう演奏が残されて良かったとしみじみ思います。
レニングラード・フィルのアンサンブルはすごいですね。セルとかショルティとは違った完璧感を感じます。リラックスさせてくりる類の音楽ではなく、聴いていて身が引き締まります。
2007.06.17 10:09
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