マゼール指揮ウイーン・フィル豆とサキイカのつまみ。

豆(ここでは調理済みで売っていた青豆を使った)と、サキイカと、鷹のツメの輪切りをごま油で炒める。
そこへおもむろにシラスを入れて完成。
台湾の安食堂でよく売っている、豆と小魚の小鉢をパクッてみた。
キーンと冷えたビールにとても合います。
マゼールはウイーン・フィルを指揮してチャイコフスキーの番号付きの交響曲を全て録音している。この「悲愴」はそのなかのひとつ。
ときにマゼールは30代前半。ピチピチである。
輪郭のはっきりしたフォームは、ウイーン・フィルを相手にしても崩れない。トンガリ具合がじつにいい。
中学のときは、クラシック音楽の中でこの曲を一番好きであったが、今でも好きだなあ。上位にくる。もったいないので、頻繁には聴かない。チョビチョビ聴くようにしている。
最初に聴いたのはカラヤン/フィルハーモニア管。疑似ステレオのLP盤だったが疑似ということは後から知った、なんていう小ネタはともかく、これは名演である。バリッとしたフィルハーモニアの響きがなんとも心地よいのだ。
それから、ムラヴィンスキーのDG盤にも世話になっている。ハードボイルドな顔の裏で、青筋浮かせていきり立つ情熱の迸りがすごい。
演奏のよしあしの決め手は、3楽章。キレと推進力が勝負の分かれ目である。
このマゼール盤もそこはきちんと押さえている。これ以上はもうしぼれないだろうというくらいに音を切り詰め短くして、スリムでパンチの効いた躍動感を出している。ウイーン・フィルの豊満な響きがときどき隙間から溢れ出そうになるところにまた味がある。
全曲を通して42分はこの曲としては短い部類に入るだろうが、豊かな音響に彩られた充実の時間である。
1964年4月、ウイーンでの録音。
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