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"卵一個ぶんのお祝い"、ギュラ、"詩人の恋"

2013.10.14 - シューマン


ma

 




川上弘美の「卵一個ぶんのお祝い」を読む。

これは日記形式のエッセイ。作者はあとがきで、5分の4は本当のことを書いてます、というようなことを言っている。そうなのかもしれないが、話題ごとに整然と並べられた工夫をみると、もっと作っているのじゃないかと思う。
とはいえ、これは川上らしい、とてもほのぼのとした文章を楽しめる。

面白いのは、散歩についての記述。
彼女が定義する「本式の散歩」とは以下の通り。

1 行く先を決めない。
2 お金は五百円以内しか持たない。
3 サンダルではなく運動靴をはく(やわらかい革靴も可)。
4 途中でさみしくなりそうな日にはでかけない。
5 犬や猫やニワトリは連れてゆかない。

そして1時間ほど歩いて、面白いものを見つける。川上ワールドが始まる。










ギュラの歌でシューマン「詩人の恋」を聴く。

彼はミュンヘン生まれのテノール。声が澄み切っていて美しい。ディースカウやヴンダーリヒのような抑揚や深みはないものの、まっすぐな歌いぶりがとても心地よい。「美しい5月」から引き込まれないわけにいかない。なんて瑞々しい声!
ドイツ語の良さを満喫できる歌唱である。声の質はシュライアーに少し似ているけれど、彼のようなアクは少なく、じつにニュートラル。

ところで、ブックレットにはギュラの顔写真が載っている。どちらかというと、醜男である。そう、シューベルトのような。
「水車小屋」にしろ、この曲にしろ、醜男が歌うとサマになると思う。きれいな声と顔とのギャップの面白さもある。が、それ以上に彼らが恋の歌を歌うところが良い。ただでさえ切ない歌が、よりせつなく聴ける。

そういうわけで、このギュラ、いつか来日した際に「水車小屋」か「詩人の恋」をやってくれたら、是非聴きに行きたいと思うのである。



ウェルナー・ギュラ(テノール)
ヤン・シュルツ(ピアノ)




2001年10月、ハーレムでの録音。











ma

 
カンガルーポー。















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