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かもめ、ケンプ、シューマン "フモレスケ"

2018.10.27 - シューマン

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チェーホフ(神西清訳)の「かもめ」を読みました。


「おれはついぞ、自分の意志をもった例しがないのだ。・・・気の抜けた、しんのない、いつも従順な男・・・一体これで女にもてるものだろうか?」


不勉強だから、この作品を軽やかな喜劇だと思っていました。紐解いてみると、登場人物はみな煮え切らないし、陰惨な雰囲気すらある。衝撃的なラストを読んで、ようやく悲劇だと確信した始末。
作家の若者と女優との恋愛を軸に話は進みますが、周囲の人々のこまごまとした喜怒哀楽がふんだんに盛り込まれている。実にどうでもいいことばかりなんだけど、それが生活というもの。哀しくもいきいきとした登場人物の表情が見えるようで、なんだかいとしい気持ちになりました。








ヴィルヘルム・ケンプのピアノで、シューマンの「フモレスケ」を聴きました(1973年2月、ハノーファー、ベートーヴェン・ザールでの録音)。


この曲を初めて聴いたのは、アシュケナージのLPで。A面の「クライスレリアーナ」が目当てでした。B面も何度か聴いたけれど、「クライスレリアーナ」ほど強い印象は持ちませんでした。
それから短くない時を経て、紀尾井ホールでのペーター・レーゼルのリサイタル。そこでこの曲を聴いたとき、おおいに感銘を受けた。淡い詩情が胸の奥にすっと入り込むようで、音楽を聴く喜びに満ちた30分でした。
ケンプ盤もいい。ピアノの音はわりとがっしりしてるけれど、ときには羽毛のように柔らかく、ときにはパンジーのように色鮮やか。音色と強弱の変化が豊か。

そして全体から立ち上る幻想の味が濃い。ああこれがシューマンだと、しみじみ感じさせる演奏でありました。















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Comment

メルヘンみたいなフモレスケ - yoshimi

こんにちは。

レーゼルは「フモレスケ」の録音がありませんが、リサイタルで弾いていたのですね。
最近のレーゼルは、未録音の曲を次々と新譜で録音しているので、「フモレスケ」も聴いてみたいです。

「フモレスケ」は最近アンデルジェフスキのCDで初めて聴いてたですが、童話みたいなファンタジーがあってとても好きになりました。
”Sehr lebhaft”は、クライスレリアーナと少し似ている旋律が出てきますね。

音色が多彩で美しいピアニストというと、ミケランジェリ、ブレンデル、ケンプあたりがすぐに思い浮かびますが、ケンプはとりわけ響きが綺麗ですね。特にシューマンの幻想性を表現するのは、ケンプが上手いですね。
2018.10.28 Sun 12:44 URL [ Edit ]

いい曲ですね~! - 管理人:芳野達司

yoshimiさん、こんばんは。
レーゼルのリサイタルに足を運んだのは3~4年前で、紀尾井ホールでした。ブラームスのop117、シューベルトの20番ソナタ、そして「フモレスケ」でした。
シューマンの組曲は昔から好きなのですが、「フモレスケ」はわりと最近になって気に入りました。
アンデルジェフスキ、よさそうですね!
この曲集は60年代から70年代にかけての録音なので、ケンプはヨレヨレかと思ったら、とてもいいです。
2018.10.31 19:32

無題 - ぽち

ケンプのシューマンはいいですね。聴いていると幻想の森に誘われます。
2018.10.28 Sun 20:08 [ Edit ]

同感です。 - 管理人:芳野達司

ぽちさん、こんばんは。
ケンプのこの曲集、ディスクユニオンで1000円くらいで入手しました。しみじみ素晴らしいです。
2018.10.31 19:34
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