ルービンシュタインのピアノ、シェリングのヴァイオリン、フルニエのチェロで、シューベルトのピアノ三重奏曲1番を聴きました(1974年4月、ジュネーヴ、ヴィクトリア・ホールでの録音)。
シューベルトのピアノ・トリオは2番を好んで聴いていました。あたかも黄泉の世界を覗くような深い世界が広がる音楽です。
オボーリンのピアノ、オイストラフのヴァイオリン、クヌシェヴィツキーのチェロによる演奏をよく取り出します。このルービンシュタイン達による演奏もよかったけれど、少し色調が明るすぎるように思いました。
でも、それがこの1番になると、絶妙な味になる。カラッとした肌触りが曲にフィットしている感じ。シューベルトの音楽だから天真爛漫とは言えないかもしれないけれど、不幸だったであろう天才の、ためいきのような希望を聴くことができる。
ルービンシュタインの力強さ、シェリングの実直さ、フルニエの滋味深さ。大家3人によるものですがアンサンブルはじつに緊密であり、バランスもいい。
気に入りました。
パースのビッグムーン。
PR