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"かぐや姫の物語"、ブレンデル、"鱒"

2013.12.28 - シューベルト

ma




錦糸町楽天シネマズで、高畑勲監督の『かぐや姫の物語』を観る。

映像が斬新だ。和紙を思わせる導入部、全編を彩る水彩画のような淡い色彩感が鮮烈。
田舎の風景は、山も梅も桜もみょうがの花も、ほんのりとした優しい色。
都の情景は、ときおり原色を用いたくっきりとした色。

かくや姫は、今までのジブリ作品とはタイプの違う顔立ちで、これはこれで可愛らしい。楽しいことや悲しいことをひっくるめて生きることが、「穢れた地球」を愛する心。人間は生きるために生まれたというセリフが、ずっしりと重みをもって伝わる。
ラストは、泣いてしまった。



ma





ブレンデルと仲間たちの演奏で、シューベルトのピアノ五重奏曲「鱒」を聴く。

この「鱒」は、ブレンデルにとっては2度目の録音。最初のクリーヴランド四重奏団との演奏を長らく愛聴してきたが、本演奏のほうが余裕を感じる。

ブレンデルのピアノはとてもゆったり。シューベルトを知り尽くしているとも言える彼が、適度に力を抜いた、とても柔らかなピアノを聴かせてくれる。
ソリスト達もいい。ツェートマイアーは雄弁にして繊細。ツィンマーマンは包み込むように中音を支える。ベルリン・フィルのふたりはバランスがいい。強すぎず弱すぎず、絶妙の塩梅。アンサンブルとして、ひとつひとつの楽器がいい具合にほぐれているので、音楽に素敵な膨らみが生まれている。
しっとりとした録音も最上。



アルフレッド・ブレンデル(ピアノ)
トーマス・ツェートマイアー(ヴァイオリン)
タベア・ツィンマーマン(ヴィオラ)
リヒャルト・ドゥベン(チェロ)
ペーター・リーゲルバウアー(コントラバス)


1994年9月、ドイツ、ノイマルクト、ライトシュターデルでの録音。








ma


昔ながらの素敵な映画館。










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Comment

無題 - kawazukoyoshi

かぐや姫
話題になっているようですね。
私の音楽は、素人ですから、
人を惹き付けることもないでしょう。
いい演奏家に出会えたら、きっと、なんて
妻が何時も笑っています。
台湾旅行は有意義で愉快でした。
今日もスマイル
2013.12.29 Sun 16:57 [ Edit ]

kawazukoyoshiさん、こんばんは。 - 管理人:芳野達司

台湾旅行、楽しく過ごされたと存じます。
私が駐在していたころは、真冬でもコートなしでいられたのですが、最近は寒くなったようですね。
李元総統とお話できるなんで、すごいですね。
有意義なお話をされたようで、こちらも楽しくなりました。
2013.12.29 22:02
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