シューベルト ピアノ・ソナタ集 ワルター・クリーン(Pf)今日から年末年始休暇。年明けは親戚周りも多少あるので、5日間の休暇は風のようにあっという間にすぎ去ってゆくだろう。
それを考えると、初日の今日が一番シアワセな日かもしれない。
そこでついでに今年を振り返ってみると、個人的にはわりと平穏な年であった。
転職して就いた会社は2年目だし、資格試験は二度目でなんとか受かったし、子供は無駄に元気、カミサンはまだ家出をしていない。
毎朝起きて会社に行くのは冗談抜きでツライけど、首にならないだけありがたいと自分をなぐさめつつ、調子に乗って毎晩酒を呑んで音楽鑑賞やら読書やら。
株価の急落や円高で景気は悪くなる一方で景気の回復の兆しはいまだ見えてこないけど、実はそんな心配は二の次で、やっぱり肝心なのは、自分の心の持ちよう。
『青天白日』。澄んだ青い空をみるだけで気持ちがいいものだ。しかもタダ。
人生は生きているだけで丸儲けと言う人がいる。そういい切るにはキツイことが多いのでけっして全面賛成とは言えないけれど、青天の美しさは間違いなく儲けものだ。
クリーンのシューベルト、この20番はかなり上位にくる演奏じゃないかと思う。
なにしろ音がいい。ひとつひとつがはっきりと明瞭に聴き取れる音は、柔らかくてスムースだ。
特に弱音における、いつくしむような繊細さ。
けっして明るいとは言い難いけど誠実な青年のつぶやき声を、確かに聴くことができる。
4楽章は、4番のソナタの2楽章と同じ旋律を引用している。シューベルトは自作のパクリがじつにうまい人だ。この曲もそう。
この旋律、いいなあ。何度もリピート、ビールもおかわり。
1971年~73年の録音。
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