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"「ゆる人生」のススメ"、井崎正浩指揮 ワグネル・ソサィエティー・OBオーケストラ演奏会

2014.02.23 - 演奏会







三浦勇夫と土屋賢二の「『ゆる人生』のススメ」を読む。
これは、精神科医と哲学者の対談集。
題名の通り、とても緩い内容である。全体を通して、ユーモアはないよりはあったほうがいいな、というようなテーマが流れているが、ただの茶のみ話である。内容は、ない。ただ、会話そのものがユーモアたっぷりなので、飽きさせずに読ませられる。というよりは、それが二人の狙いであったのだろう。
人生に意味はない。
だったら笑おうよ。

楽しかった。









井崎正浩が指揮をとった、ワグネル・ソサィエティー・OBオーケストラの演奏会を聴いた。


ベートーヴェン 交響曲3番「英雄」
チャイコフスキー 交響曲6番「悲愴」


重量プログラムであるが、両方とも短かく感じた。

ベートーヴェンは、インテンポでサクサク進む実直な演奏。強弱の変化が頻繁にみられ、それが降り幅の広さを与えていた。巧妙でかつ自然。
特に2楽章が聴きものだった。掠れたヴァイオリンの塩梅のよさ、そして落ち着いた音色を醸し出していたオーボエが見事。
全体を通して、テキパキした生きのよさに加えて、まろやかな情感が滲み出る演奏だった。

チャイコフスキーは正攻法。いたずらにテンポをいじらず、また強弱の変化も大きくは見せなかった。ただ、冒頭のあたりと終楽章においては、間を大きくとり、感傷的な味わいを色濃くみせた。
1楽章のラスト近くでは、クラリネットのソロが立派で、その伴奏役の木管・金管群が弱音を丁寧に制御していた。そのあたりは2楽章の後半についても言うことができ、このあたりとても精緻であった。
3楽章は野太く勢いがあった。この曲は、生で聴くと震えるな。大太鼓は女性で、会心のドヤ顔。ここが終わったところでブラボーが入った。本人は恥ずかしがっているだろうか、あるいは確信犯か。いずれにしても嫌いではない。
終楽章はラストのコントラバスが滋味深い。しみじみいい曲である。

全体を通して、ヴァイオリンが対抗配置のスタイル。ベートーベンではそれが生きたが、チャイコフスキーではそれほど効果がないような気がした。

井崎の指揮はケレン味がなく的確でよい。専門的なことはわからないが、奏者からみてわかりやすい指揮だったと感じた。


2014年2月23日、東京、すみだトリフォニー・ホールにて。








ma


またまた魚市場。










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Comment

葬送行進曲 - neoros2019

通勤帰りの車中に、ここのところリピートボタンを押して反復して聴いているのが
エロイカの第2楽章。
ケーゲル/ドレスデン・フィルのCDです。
‘80年前後の録音でしょうが、本当にこれは良い録音だと思います。
ケーゲル好きの許光俊の評論文も見当たりませんでしたが、さすが躁鬱の鬱表現はちょっと類例をみない見事な演奏だと思います。
HMV等で検出されず廃盤になっているようですがベートーヴェン・ブログの吉田さんにも是非聴いてもらいたい逸品ですね。
2014.02.24 Mon 19:17 [ Edit ]

楽しみです! - 管理人:芳野達司

neoros2019さん、こんばんは。

ケーゲル/ドレスデン・フィルのベートーヴェン交響曲全集は、10年くらい前に購入しています。ですが、7番と9番以外はまともに聴いておらず、埋もれている状態。
確かに許光俊の、ケーゲルのこの曲についての評論文は見当たりませんね。
逸品ですか。俄然、楽しみになりました。今週から来週にかけて聴いてみます。
ありがとうございます。
2014.02.24 21:16
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