寺岡清高指揮 新交響楽団の定期演奏会に足を運びました(2021年4月18日、東京芸術劇場にて)。
ドヴォルザーク:序曲三部作『自然と人生と愛』
「自然の中で」「謝肉祭」「オセロ」
フランツ・シュミット:交響曲第3番
シュミットの作品は初だったので、YouTubeで予習をしました。エルガーとラフマニノフの交響曲を足して2で割ったような、そんな味わいの曲だと感じました。
実際に聴くと印象は同様で、執拗に繰り返される暖かく軽やかな旋律の背後にどんよりした雲が覆っていることを想起させました。そのどんより感と軽いメロディとのコントラストが面白い、そんな曲だと思った次第。
ドヴォルザークもメロディを知っているのは「謝肉祭」だけで、あとの2つは聴いたことがないかもしれない。
でもこの日はむしろ、「自然の中で」と「オセロ」に感銘を受けました。前者は表題を裏切らない牧歌的な曲で、「わが祖国」を思わせました。
後者は、シェークスピアの激しさとは裏腹に、しっとりとした情感を帯びていて、なるほどこれもオセロの想いのひとつの形なのだと噛み締めました。
前半と後半とで、似て非なる味わい。面白いコンサートでした。
新響のうまさについては、今更述べることはありません。
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