大植英次指揮 東京交響楽団の演奏会に足を運びました(2021年5月2日、ミューザ川崎にて)。
禁断の神奈川遠征。事前にチケットを購入したので行くしかない。
オール・チャイコフスキー
ヴァイオリン協奏曲(Vn:木嶋真優)
交響曲4番
木嶋さんのヴァイオリンは、手を触れたら火傷するのじゃないかと想像させるくらい熱いものでした。ときには弦が悲鳴をあげるほどの圧力をかけ、ときには甘いポルタメントを惜しみなく降り注ぐ。技が多彩で器用なのだろうけど、不思議と、技巧を駆使していることを思わせませんでした。
いままで聴いたことのないテンポの変化は彼女の主導なのか指揮者のものなのか定かではありませんが、この曲に関してはいたって自然に感じました。そして、畳みかける終結部には背筋が痺れ。
全体を通して、今までライブで聴いた同曲のトップクラスの演奏だと思います。
交響曲は、ヴァイオリン協奏曲に輪をかけてユニークなもの。
両手では収まらないほど多くの箇所でテンポを変化させ、それは「そうきたか!」と思うところもあれば、腑に落ちないこともあり、正直言ってマチマチ。
でも、こんなに面白い演奏をしてくれるのならば、また大植さんのコンサートに足を運ぼうと思う人は何人もいるだろうし、私もその一人。
ラストにもまた独特の味付けを施していました。このご時世でなければブラボーのひとつを進呈したでしょう。
編成は14型、コントラバス5名。
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