ドミンゴの題名役、ムーティ指揮ミラノ・スカラ座、他の演奏で、ヴェルディ「エルナーニ」を聴きました(1982年12月、ミラノ・スカラ座でのライヴ録音)。
このオペラを聴くのは初めて。ヴェルディ初期の作品とのことで、出番が多い合唱を中心にとても動きが活発な曲。なので、寝床で聴くには不向き。
あらすじによれば、主人公のエルナーニは元は貴族だった、山賊の首領。彼を中心に、ひとりの女を3人で取り合うというお話で、愛憎渦巻いているのだけど、音楽はそういう雰囲気ではなく、けっこう賑やか。そんなことを思うのは、イタリア語をわからないせいでしょう。
歌手は四天王とも言っていいであろうタレントが揃っています。各人充実した歌を聴かせてくれるけど、特に気に入ったのはエルヴィーラを演じたフレーニ。春の野花のように可憐でありながら、オーケストラの音響を超えて飛翔する力強さを併せ持っています。このオペラに関しては、旦那のギャウロフより、また他の2人より存在感があると感じます。
オーケストラも好調、弦のキメ細かな響きを基調に、自然に抑揚のある音楽を奏でています。これは勿論、ムーティの腕によるところ大でしょう。
エルナーニ:プラシド・ドミンゴ(T)
エルヴィーラ:ミレッラ・フレーニ (S)
ドン・カルロ:レナート・ブルゾン (Br)
ドン・ルイ・ゴメス:ニコライ・ギャウロフ(B)
ジョヴァンナ:ヨランダ・ミキエーリ (S)
ドン・リッカルド:ジャンフランコ・マンガノッティ(T)
ヤーゴ:アルフレード・ジャコモッティ(B)
合唱:ミラノ・スカラ座合唱団
合唱指揮:ロマーノ・ガンドルフィ
PR