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ガッゼローニのモーツァルト「フルート四重奏曲集」

2006.12.27 - モーツァルト
ガッゼローニ
ガッゼローニ/モーツアルト「フルート四重奏曲」

私の友人に、クラオタがいる。彼は歯科医師であり、個人で開業しているからソコソコの収入があるはずなのだが、その収入の全てをコンサートのチケットとCDに注いでいる。
最近は、BGMを流す診療室が少なくない。彼の診療所もそうである。ただ、選曲にやや問題がある。
あるときはバルトークの弦楽四重奏曲。そしてシュトックハウゼンのピアノ・ソナタ。またあるときはシェーンベルクの「ワルシャワの生き残り」やベリオの「声のためのセクエンツァ」のCDを、嬉々としてターンテーブルに乗せるのだ。
まあ、なんにしろ気分が悪い。虫歯を抜こうとするときに、「ワルシャワ」のガス室のカウントダウンが始まるわけだ。はたで見ている分には、なんか変態映画を観ているようだが、抜かれる本人はたまったものではない。
待ち時間のときにこれらの曲がかかると、治療中ではないのにかかわらず、患者の顔が苦痛にゆがむことは言うまでもない。音楽の逼迫した雰囲気は、拷問ともいえる。
でも、治療をしている本人は絶好調。仕事だろうとなんだろうと、とにかくクラシック音楽を聴いてさえいれば満足なのだから。

場所は、地下鉄丸の内線の茗荷谷駅から徒歩5分、お茶の水女子大正門のハス向かいにある。
ご興味のある方は、どうぞ。
治療は懇切丁寧である。と、一応付け加えておこう。

モーツァルトの四重奏は、そういう音楽とはうって変わってBGM向き。このガッゼローニ盤がこの秋にCD初発売されたとき、かの歯医者は狂喜していたものだ。
音楽はまさしく18世紀の貴族が余暇を楽しむために作られた音楽だが、ガッゼローニのフルートはいささか辛口。スカスカとした音ではなく、どっしりと芯のある音色でテキパキと演奏する。フルートはこういう音がいい。録音はドライ。宮殿の大きな居間ではなく、現代のマンションの一室で演奏しているかのよう。



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