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キーシンの「展覧会の絵」

2006.06.21 - ムソルグスキー
彼も今年で35歳になる。
日本にデビューしたのは15歳くらいのときだったか。
そのときは、FMでショパンのピアノソナタ第3番を聴いた。
目覚しい技術と、うねるような感情の表現が、すでに完成の域に
達していた。
神童のままで終わっちゃうのかなあと、心配をしたヒトの№1だった。
そんな杞憂をよそに、その後もカラヤンやジュリーニら巨匠との
録音を始めとして、ソロでも順調に活躍している。
よかった、よかった(笠智衆の口調)。


キーシン「展覧会の絵」

ムソルグスキー「展覧会の絵」/キーシン



浦和レッズの小野に似ている。
いや年を考慮すれば、小野がキーシンに似ているのだ。
そんなことはどうでもいいか。

このCDのカップリングは独特だ。
・バッハのトッカータ、アダージョとフーガ BWV564(ブゾーニ編曲)
・グリンカの「ひばり」(バラキレフ編曲)
・ムソルグスキーの「展覧会の絵」

実際のリサイタルのような組み合わせである(と、ライナーノーツにも
書いてあるが)。
バッハは原曲のオルガンのような荘厳な響きと、コロコロした宝石の
ような音との、硬軟おりまぜたピアノがお見事。
時折、グールドのような音色が聴こえてきて、はっとさせられた。

グリンカの「ひばり」という曲を初めて聴いたが、題名からして
ピーチクパーチク賑やかな音楽を想像していたら、
とても静かな、物悲しい音楽である。
ピアニッシモの音に背筋が寒くなる箇所がある。

「展覧会の絵」は、ど真ん中剛速球である。小細工のない正攻法の解釈。
ここでも澄み切ったピアノの音が素晴らしく、色鮮やかな響きを惜しみ
なく開陳している。
リヒテルやホロヴィッツの壮絶さに比べると「大人」な演奏だ。
欲を言えば、もう少し暴れてもよかったかな、と。
親心である。
いや兄心くらいか。
本人が聞いたら、憤懣やるかたないだろうが。


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