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マゼールのムソルグスキー「展覧会の絵」

2007.10.20 - ムソルグスキー
maazel

ラヴェル 「ボレロ」、「逝ける王女のためのパヴァーヌ」、「道化師の朝の歌」、「ラ・ヴァルス」  ムソルグスキー 「展覧会の絵」  マゼール指揮 フィルハーモニア管



城山三郎の「官僚たちの夏」を読了。通産省で働くエリート官僚の成功と挫折を描いた話で、舞台は戦後復興期の真っ只中の日本である。それぞれ形は違うけれども、国家のために尽くそうとする人々が登場し、読むと元気が出てくる。私は公務員ではないが、サラリーをもらって働くということでは同じ立場であり、勤め人としての意気を感じさせてくれる本だ。
こうした気持ちを持続しながら働くことが望ましいのだと思うが、そのうち忘れ去ってしまうのだろうな…。


マゼールの「展覧会の絵」。彼はこの曲を3回(かな?)録音していて、これは最初のもの。
1962年だから、マゼールが32歳の頃だ。
演奏は、キビキビとしたテンポで切れ味が良い。各フレーズが短いので、少々寸詰まりのところもなくはないが、勢いがいいのでさほど気にならない。縦の線が鋭角的にキチッとあっているところがこの時代のマゼールらしい。
オーケストラのコンディションは最上。合奏もソロも艶やかに響いていて不満なし。この時代のフィルハーモニア管は、指揮者に恵まれたせいもあるのかもしれないけど、うまいしバランスが絶妙だ。
このオケ、この夏にインバルと来日してマーラーをやっていたのをテレビで観たけど、うまさに加えて、すごい豊満さがあった。精密さを犠牲にした反面、はちきれんばかりのパワーがあった。それは指揮者の裁量なのかもしれない。
ここでのマゼールは、オレ流にコントロールしきれているようだ。
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Comment

無題 - rudolf2006

吉田さま こんばんは

城山さんの本は面白いですよね、小説と言うよりは、テレビのドキュメンタリーのような感じがしますよね。私は、「落日燃ゆ」など、戦前の政治家を扱ったものが好きです~。

マゼールの「展覧会の絵」ですか
私はこれも未聴です。マゼールというと「カルメン」全曲のCDを聴いて、ぶったまげてしまったことを思い出します。ああああ、といったことをやっているところがあるんですよ。これも書いたかもしれませんが。
この「展覧会の絵」はどうでしょうか?
そういえば、久しく聴いていないように思います。

フィルハーモニアを含めて、イギリスのオケストラは、あまり注目されませんが、レヴェルは高いですよね。この時期は、とりわけ優れた奏者が集まっていた頃ではないでしょうか。イギリスのオケストラは、奏者は割と自由にあっち、こっちと所属団体を変えると聞いたことがあります~。

ミ(`w´彡)
2007.10.20 Sat 18:22 URL [ Edit ]

Re:rudolf2006さん、こんばんは。 - 管理人:芳野達司

コメントありがとうございます。

城山の本を読むのは、「落日燃ゆ」以来でした。あれがとても良くて、少しずつ読もうかと思っています。「官僚たちの夏」もなかなかでしたよ。

マゼールのこれは60年代のものですが、いきりたっていていいですね。刺々しくて、あいまいなところがない演奏です。
この時代のマゼールはいいですね。個性が際立っていて、ときには「?」というものもありますが、良くも悪くもマゼールです。
rudolf2006さんの「カルメン」レビュー拝見しています。コレ、聴いてみたいですねー。
フィルハーモニア管、世界中で好きなオケのひとつです。過去には大指揮者に恵まれた楽団ですが、実力もすばらしいものがあります。録音は星の数ほどありますが、指揮者によって千変万化なオケですね。
2007.10.20 21:56

無題 - ruiros2019

わたしこのCDでは<逝ける王女のためのパヴァーヌ>を好み、誰もいない早朝の職場にて大音量にて、マゼール<カルメン>全曲とともに鑑賞しています。他のピアノ版を含む様々な<逝ける>を聴き漁りましたが、このマゼール盤が一番ぴったりきます。
2007.10.20 Sat 23:30 [ Edit ]

Re:ruiros2019さん、おはようございます。 - 管理人:芳野達司

コメントありがとうございます。

そうそうこのCDはラヴェルもいいんですよ。超快速のボレロ、華やかな道化師、そしてパヴァーヌはなんとも繊細な演奏に仕上がっていますね。ここ数日は毎日聴いています。
正直いって、このCDをそれほど期待しないで聴いたのですが、嬉しい誤算というかいい意味で期待を裏切られました。
若い頃のマゼールはあなどれません。
参りました。
2007.10.21 09:46

無題 - ruiros2019

オーケストラは指揮者によってピンキリになりますね。クーベリック、クレンペラー率いるバイエルン放響しかりテンシュテット率いるロンドンフィル、インバルが振るウィーン響、ブルックナーを振る朝比奈率いるN響、新日フィル、当時のマゼール率いるフィルハーモニア管もしくはNPOなどなど。
逆に、アシュケナージやらバレンボイム、小澤などフィルハーモニアだろうがパリ管だろうがコンセルトヘボウだろうがベルリン国立歌劇場だろうがましてやシカゴ響,BPO,vpoどこを振っても同じ結果になることは目に見えてます。
2007.10.23 Tue 10:51 [ Edit ]

Re:ruiros2019さん、こんにちは。 - 管理人:芳野達司

コメントありがとうございます。

>オーケストラは指揮者によってピンキリになりますね。
おっしゃるとおりですねー。
バイエルンやロンドンなど、なにをしなくてもいいオーケストラだと思いますが、クーベリックやテンシュテットの手によると目覚しい実力を発揮します。
アシュケナージの指揮はよく知りませんが、バレンボイムや小澤は同感です。
そういう意味で、ショルティやジュリーニとシカゴ、プレヴィンのLSO、マゼール/クリーヴランド管やクリュイタンス/パリ音楽院管などもいいと思います。
古いですね…。
2007.10.23 12:44
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